潰瘍性大腸炎の症状
潰瘍性大腸炎の症状は、血便、粘血便、下痢、腹痛が主な症状です。ひどくなると体重減少や貧血、発熱がみられます。治療によって改善しても数カ月から数年後に再び悪化し、それを繰り返す場合(再燃緩解(さいねんかんかい)型)や、症状がだらだらとずっと続く場合(慢性持続型)などのタイプに分類されます。
潰瘍性大腸炎の検査
潰瘍性大腸炎の診断のためには大腸内視鏡検査が必要です。潰瘍性大腸炎の炎症の特徴は、びまん性、連続性と表現され、大腸粘膜の全周にわたる炎症が直腸から連続してみられます。炎症が直腸だけに限られている直腸炎型、直腸から大腸の左半分まで広がっている左側大腸炎型、大腸全体に炎症のある全大腸炎型に分けられます。
注腸造影検査でも、大腸の炎症や変形の広がりを知ることができます。血液検査では、炎症反応の程度をみたり、貧血や栄養不良が生じていないかなどを調べます。
潰瘍性大腸炎の治療
潰瘍性大腸炎の治療方法について説明します。多くの患者さんは適切な治療で通常の社会生活が可能ですが、重症度により治療法が異なります。比較的軽症の場合は、5‐アミノサリチル酸製剤(サラゾピリン、ペンタサ)の内服、ステロイド薬の内服を行います。炎症が直腸や大腸の左半部に限られている時には、ペンタサやステロイド薬の注腸製剤を肛門から腸の中に注入して使用する場合もあります。
重症の場合は入院し、サラゾピリンやペンタサの内服に加えてステロイド薬を静脈内投与します。腸管を安静にするため絶食とし、中心静脈栄養が必要になることもあります。白血球除去療法は炎症の原因となる白血球を血液から取り除く治療で、副作用が少ないことが特徴です。病状によって免疫抑制薬を使用することもあります。
これらの治療で改善せず激しい症状が続く時や、たびたび悪化して社会生活にさしつかえるような時には、大腸を摘出する手術が必要になります。また潰瘍性大腸炎を発症して10年以上たつと、大腸がんの発生する危険性が高くなります。大腸がんが発見された場合も大腸全摘手術が必要です。
潰瘍性大腸炎の治療期間と予後緩解期になっても治療を中断しないことが大切です。緩解期には厳しい食事制限は必要ありませんが、症状のある時には、高脂肪食や繊維質の多い食事を避け、アルコールや香辛料をひかえるようにします。肉体的、精神的ストレスをきっかけに悪化することがあるため、ストレスを多く受けないような自己管理も重要です。
厚生労働省の特定疾患に指定されているので、申請すると医療費の補助が受けられます。
潰瘍性大腸炎の予防
潰瘍性大腸炎の原因としては細菌、ウィルスの感染、酵素の不足、アレルギーやストレスなどが原因として考えられるのではといわれていましたが、最近では免疫異常が関係しているといわれています。そのため、免疫機能を乱す要因を省くことが予防につながるのではないかといわれています。
潰瘍性大腸炎によい漢方薬
- 温経湯
- 黄湯
- 帰膠艾湯
- 桂枝加芍薬湯
- 桂枝湯
- 柴胡加竜骨牡蛎湯
- 柴胡桂枝湯
- 柴苓湯
- 小柴胡湯
- 小柴胡湯+四物湯
- 大黄牡丹皮湯
- 半夏瀉心湯
- 半夏瀉心湯+四物湯
潰瘍性大腸炎によいサプリメント ローヤルゼリー、恵命我神散などがお勧めです。
|
|