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慢性胃炎の症例、症状、治療

慢性胃炎の症例、症状、治療

慢性胃炎は加齢に伴う現象である、という説が定説でしたが、現在では慢性胃炎の大半はピロリ菌が原因であることがわかっています。

慢性胃炎の症状

慢性胃炎に見られる症状は、上腹部不快感、膨満感(ぼうまんかん)、食欲不振などのいわゆる不定愁訴と呼ばれるものです。そのため症状だけで慢性胃炎を診断することはできません。もちろん、胃の炎症症状の強い時には、吐き気や上腹部痛などの急性胃炎症状が出てきます。重要なことは、慢性胃炎においては、胃粘膜の萎縮の状態と自覚症状の程度が相関しないことです。つまり、なぜ慢性胃炎で症状が出るのか、わからない部分がまだ多いのです。


慢性胃炎の検査

慢性胃炎の検査は、内視鏡検査で胃粘膜の萎縮所見を認めれば、容易に診断がつきます。萎縮のある胃粘膜は、表面が滑らかではなく血管が透けて見える所見がみられます。正確な診断には、組織の一部を採取して調べる生検による病理学的検索が必要です。慢性胃炎はピロリ菌の有無、炎症細胞浸潤の程度、萎縮の程度などから、シドニー分類と呼ばれる国際的な胃炎分類法に基づきスコア化されています。


慢性胃炎の治療

慢性胃炎の本態が萎縮性変化なのですから、根本的な治療法はないことがおわかりいただけると思います。日本では、症状に合わせて治療を行っている医師が大半と思われます。 もたれ感、不快感などの胃の不定愁訴には、胃の運動を改善する薬剤や胃の粘膜を保護する薬剤が処方されます。吐き気、上腹部痛などが強い場合は、急性胃炎に準じて制酸剤やH2ブロッカーなどが投与されます。
 近年、最も注目を集めていたことは、ピロリ菌を除菌することによって、胃粘膜の萎縮の改善が認められるかどうかということでした。国立がんセンターを中心とする日本の臨床試験で改善を認めたことから、日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは除菌をすすめています。



慢性胃炎の治療

慢性胃炎の治療方法は以下の通り

①腹6~7分めにする。
②食べて直ぐ横にならない。前屈みの姿勢もとらない。
③就寝の際も、上半身を少し高めにする。
④胃酸分泌を促すような食事をなるべく避ける。
⑤便秘・肥満を解消する。
⑥炭酸系の飲み物も控える。
などに、気をつけることで再発のリスクを低減することができます。


慢性胃炎の予防

慢性萎縮性胃炎は高齢になるにつれてその発症頻度が増加するといわれ、また慢性萎縮性胃炎は胃がん発生のリスクの1つと疑われています。したがって、慢性胃炎はほとんど症状もなくうったえも少ない病気ですが、その診断と治療でもっとも注意しなければならないことは胃がんの発生を見落とさないことです。慢性胃炎と診断された場合は年に1回程度の定期的な内視鏡検査をおこないます。その際に必要があれば早期の胃がんが発生していないかどうか微量の胃粘膜組織を採取して顕微鏡で調べる病理組織学的検査をおこないます。



慢性胃炎によい漢方薬

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
→慢性胃炎に、最もよく使われている処方で、比較的体力のある方にオススメです。みずおちがつかえて、食欲がなく、おなかがゴロゴロなったり、吐き気、下痢などがある時に用いると効果があります。

安中散(あんちゅうさん)
→慢性胃炎で、胃痛が長く続いた時に用います。もともとは、虚弱体質で血色がすぐれず、冷え性で、脈にも腹にも力がなく、胃の中に水が溜まっており、へそのところに動悸がふれる方に効果があります。

人参湯(じんさんとう)
→普段から胃が弱く、疲れやすい方に用います。冷え性で尿量が多く、みずおちのつかえ、時に痛みがあり、少し食べるとすぐおなかがいっぱいになって苦しい。また口の中に薄い睡液がたまり、軟便または下痢をしやすい方に効果があります。

六君子湯(りっくんしとう)
→今、注目を浴びている漢方療法です。
→慢性胃炎の症状でも、小さすぎず、大きすぎず、その中間の症状によく使われます。胃を丈夫にし、元気になりたいという方にオススメです。
→大学病院の臨床試験で、西洋の薬剤では治しにくい慢性萎縮胃炎には、六君子湯を使うことで著しい効果が見られるということが、科学的に証明されました。


慢性胃炎によいサプリメント

Lカルニチン
カテキン
クランベリー
シソ
フコイダン

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