副甲状腺ホルモンとは
副甲状腺ホルモン(パラトルモン(PTH))は、血液中のカルシウムの濃度を上昇させるように働きます。逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンはカルシウムを低下させるように働きます。
そのためのパラトルモン受容体は身体に骨、腸、腎臓の3箇所あります。
副甲状腺ホルモンの働き
血中カルシウム濃度の上昇が主な働きとなります。受容体のある骨、腸、腎臓において次のような働きをします。
作用箇所 |
作用内容 |
骨 |
カルシウムの放出を増大させる骨は大きなカルシウムの貯蔵器官です。 骨の再吸収は、通常は破骨細胞による骨の破壊により起こりますが、破骨細胞にはパラトルモン受容体がないため、間接的刺激として骨芽細胞と結合します。
結合は、破骨細胞分化因子(RANKL)を出現させ、骨芽細胞の増大を刺激し、破骨細胞の前駆体は破骨細胞分化因子受容体(RANK)を取り囲みます。破骨細胞分化因子と破骨細胞分化因子との結合体は、それらの先駆体と融合し、新しい溶骨細胞を形成する。その結果骨の再吸収が促進します。
|
腎臓 |
遠位尿細管とヘンレ係蹄上行脚でカルシウムの再吸収を活発・増大させます。
|
腸 |
ビタミンDの生成を促進、25-ヒドロキシビタミンDに1-αヒドロキシル化反応を起こさせる酵素を活性化させ、カルシウム吸収に実際に作用する1,25-ジヒドロキシビタミンD(活性ビタミンD)に変換しカルビンジンを通してカルシウムイオンを吸収させ、結果的に腸のカルシウムの吸収を促進させます。
|
副甲状腺の疾患
- 副甲状腺機能低下症
- 副甲状腺ホルモン(PTH)の不足を原因とした低カルシウム血症、高リン血症によって種々の症状を示す代謝性疾患です。
|
|