アジソン病(慢性原発性副腎皮質機能低下症)の症状
副腎ホルモンの欠乏による症状として、全身倦怠感、脱力感、筋力低下、体重減少、食欲不振、低血圧、低血糖、精神症状(無気力、不安、性格変化)、色素沈着(皮膚、粘膜、爪、舌、口腔粘膜など)、月経異常、体毛脱落(女性)などがあります。
症状は通常徐々に始まり、程度も個々で異なるため症状がはっきりしない例から著しい症状を示す例まであります。
アジソン病(慢性原発性副腎皮質機能低下症)の検査
①ホルモン検査など
上記の症状、とくに色素沈着、倦怠感、低血圧などから本症を疑い、ホルモン検査をすることが重要です。内分泌ホルモン検査では血中コルチゾール値の低下と血中ACTH値の増加、ACTHに対するコルチゾールの反応がないことなどがみられます。なかにはコルチゾールの基礎分泌は保たれていても分泌予備能が低下している例があり、こうした例ではACTHに対する反応が低下しており、部分的(partial)アジソン病といわれます。自己免疫性副腎炎が原因と考えられる場合、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、糖尿病などを合併する例があ理ますので検索する必要があります。
②画像診断
アジソン病の病因鑑別のために副腎CTが有用なことがあります。副腎結核の場合に副腎の石灰化や腫大(しゅだい)像を認めることがあります。特発性では正常に見えることが多いですが、萎縮がわかる例もあります。ガンの転移などでも腫大した副腎がみられます。その他、特異的に副腎皮質に取り込まれる副腎シンチグラフィーでは副腎部に集積を欠き、診断の参考になります。
アジソン病(慢性原発性副腎皮質機能低下症)の治療
副腎皮質ステロイド薬を、病気の程度、日常生活に合わせて補充します。通常、1日1〜2回の内服ですみますが、けがや発熱などで体に強いストレスがかかる場合は、内服量を増やす必要があります。
アジソン病(慢性原発性副腎皮質機能低下症)の治療期間と予後
まず適切なグルココルチコイドの服用が重要です。一生涯服用が必要ですが、適切な服用を続ければ正常と変わらない生活が可能です。ただ、ストレス時にはストレスの強度に応じた服用量の増量が必要であり、場合によっては病院での緊急治療が必要になることがあります。
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