脳下垂体ホルモンとは 下垂体は、大きく2つの部分に分けることができます。主に前下方にある部分は、腺性下垂体と呼び、主に後上方にある部分は、神経性下垂体(下垂体後葉)と呼びます。
腺性下垂体は、更に2つに分けられ、神経葉に接する薄い部分を、下垂体中葉、それ以外を前葉と呼びます。こうして分けられた3つの部分からは異なったホルモンが分泌されます。
脳下垂体ホルモンの働き
下垂体 |
ホルモンの種類 |
作用内容 |
前葉 |
①ACTH (副腎皮質刺激ホルモン) |
①副腎皮質に作用し、糖質コルチコイドなどの副腎皮質ホルモンの分泌を促進する
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②GH (成長ホルモン) |
②成長に関する作用と代謝をコントロールする作用がある。 |
③PRL (プロラクチン) |
③乳腺の分化・発達
乳汁合成
乳汁分泌
黄体刺激 |
④TSH (甲状腺刺激ホルモン) |
④甲状腺に働きかけ甲状腺ホルモンの分泌を促す。 |
⑤LH (黄体形成ホルモン) |
⑤男女両方でLHは性腺からの性ホルモンの産生を刺激する。 |
⑥FSH (卵胞刺激ホルモン) |
⑥卵巣内でFSHは未成熟の卵胞の成長を刺激し成熟させる。 |
中葉 |
①MSH (メラニン細胞刺激ホルモン)
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①メラニン細胞のチロシナーゼを活性化させ、メラニン合成を促進する。 |
後葉 |
①OXT (オキシトシン)
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①中枢神経での神経伝達物質としての作用がある。 |
②VP(=ADH) (バソプレッシンまたは抗利尿ホルモン) |
②血管を収縮させて血圧を上げる効果がある |
脳下垂体の疾患
- 下垂体性小人症
- 成長ホルモンの量が少ないために、成長率が悪くなり低身長になる病気です。
- 先端巨大症
- 成長ホルモンが過剰に産生され、手足や内臓、顔の一部分が肥大する病気。
- 巨人症
- 成長ホルモンが過剰に分泌されることにより、高身長になる病気です。
- 高プロラクチン血症
- 無排卵月経などを起こすようになったものを高プロラクチン血症といいます。
- 尿崩症
- バソプレッシンの合成または作用の障害により水保持機構が正常に働かず、多尿となる疾患のことである。
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