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糖尿病の原因とその治療について1型糖尿病や2型糖尿病になる原因 は色々考えられていますが、様々な要因が複雑に絡み合っています。例えば、肥満は糖尿病や様々な疾患を誘発すると言われています。もちろん、その通りに様々な疾患で苦しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。しかし、同じような肥満でも、糖尿病やそのほかの疾患にかからない方も多分にいらっしゃいます。大きな違いは家族歴特に遺伝子が影響しているといわれています。1型でも2型でも家族歴のある人はリスクが比較して高い傾向にあります。(ただし、一部の1型糖尿病はある種のウイルスが関わっているといわれています) しかし、糖尿病は家族歴があるからそういう遺伝子だからという理由だけでは発症しません。発症する様な生活スタイルが加わることで、糖尿病という遺伝子を揺り起こし、呼び起こし体をむしばんで行きます。ほとんどの場合、生活スタイルを見直すことで、たとえ家族歴があったとしても予防は可能です。 |
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Ⅰ型糖尿病の原因膵臓にあるβ細胞は、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンを分泌しています。Ⅰ型糖尿病では、何らかの原因によりこのβ細胞が破壊されてしまうことにより、インスリンの分泌が極度に低下あるいは、ほとんど分泌されなくなる疾患です。その結果、血中の糖が異常に増加をきたし、糖尿病性昏睡、糖尿病性腎症などの合併症を引き起こし、最悪の場合死に至ります。 この疾患の大きな原因はβ細胞が破壊されることですが、血中に自らの膵細胞を攻撃する自己抗体が認められるものを1A型(自己免疫性)、ないものを1B型(特発性)に分類します。経口血糖降下薬などの飲み薬は無効で、患者はかならず注射薬であるインスリンを常に携帯し、毎日自分で注射しなくてはなりません。 Ⅱ型糖尿病の原因2型糖尿病は、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病でです。生活習慣の影響により発症する糖尿病をこの2型糖尿病といいます。欧米では感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)が、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因となっています。遺伝的因子が大きく関わり、そこにと生活習慣がからみあって発症する生活習慣病で、日本では糖尿病全体の9割を占目ています。 発症リスクを変動させる要因として、「マグネシウム摂取量が関与している」との報告もあり、インスリン抵抗性、慢性炎症、飲酒習慣を有する患者では摂取量の上昇が発症抑制に効果があるとされています。 糖尿病になりやすくなる環境因子としては、圧倒的な危険因子として肥満が挙げられ、その他、喫煙や運動不足などがあります。 糖尿病の治療初期の糖尿病では食事療法と運動療法が主体となります。病状が進行していた、あるいは、してしまった場合は薬物療法が必要となります。Ⅰ型糖尿病、Ⅱ型糖尿病ともに、基本的な治療は同じです。ただしⅠ型糖尿病は、基本的にインスリン注射治療が必須となります。糖尿病の食事療法(詳しくは糖尿病の食事とそのポイントをご覧ください)糖尿病と診断されたら、身体活動量等に合わせた食事をする必要があります。基本的に食べてはいけないものはありませんが、自分にあった食事の量で、必要とするすべての栄養素をとるように工夫することが大切です。糖尿病食はとてもバランスのとれた食事ですので、家族の健康維持として一緒に食べられます。1日に食べる量は? 主治医より具体的摂取量が出ますが、簡単な目安として以下のとおりとなります。 (カロリー計算) 総エネルギー量 = 標準体重 × 仕事別消費カロリー(*1:以下の表を参照) *標準体重=身長(M)×身長(M)×22
食事を作る際、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を要するととても便利です。糖尿病のカロリーを表す際に単位数を使用します。(エネルギー量の計算は、80kcalを1単位) 糖尿病の運動療法①ひとりでできる運動を選び、毎日同じだけ行います毎日行うことですので、場所を選ばず、いつでもどこでも無理せずできる運動を選びましょう。もし毎日は難しくても、2日に1日は行いましょう。 ②ウォームアップとクールダウンを 運動は1日30分が目安です。継続的ではなく、朝晩2回に分けてもかまいません。運動を行うときは、ゆっくりスピードを上げて(ウォームアップ)、終了時はゆっくりスピードを下げていきます(クールダウン)。ウォーキングにする場合、1回15分~20分を目安にして、1日1万歩を目安にしてもいいでしょう。 ③運動の強さは、きつすぎず、楽すぎず 少し汗ばみ、息が軽くはずむ程度が運動の強さの目安です。運動の後、疲労感が残る場合は、運動の強さ、量の見直しが必要です。自分にあった運動量にセーブしましょう。 ④食後1~2時間後に行う こうすると、食後の血糖上昇が抑えられます。 ⑤運動日誌をつける 運動習慣を身につけるためと、運動のしすぎによって体調が悪くなることを防ぐために、最初は日誌をつけましょう。 運動による消費カロリーの目安はこちらです→運動の消費カロリーの目安 糖尿病の治療(薬物療法)①スルホニル尿素薬(US薬) ・膵臓のβ細胞(B細胞)を刺激し、インスリンの分泌を増やします。さらに、インスリンの働きを良くし、肝臓から放出されるブドウ糖の量を抑えます。 ・ただし、スルホニル尿素薬はインスリンの分泌を増やすのが主な作用ですので、膵臓にインスリンを分泌する力が無いと効果を期待できません。 ・服用は食前が基本ですが、食後でもかまわないと考えられています。 ②α-グルコシダーゼ阻害薬 ・小腸での糖質の分解と吸収を遅らせる作用により、食後の血糖の上昇を緩やかにする働きがあります。 ・スルホニル尿素薬にくらべると低血糖を起こしにくいという特徴があります。 ・この薬だけの服用であれば、低血糖を起こす恐れはありませんので、薬物治療を始めるときに第一選択として利用されることの多い薬です。 ・食事前の血糖値はそれほど高くないが、食後にあがりやすいなど、比較的に症状が軽い方に適しています。 ・α-グルコシダーゼ阻害薬は単独で服用する場合と、スルホニル尿素薬やインスリン療法と併用されることもあります。 ・服用は、食事の直前に飲みます。薬の飲むタイミングを守らないと効果がありません。 ③速効型インスリン分泌促進薬 ・スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と同じインスリン(インシュリン)の分泌を促進(そくしん)する薬です。 ・低血糖を起こしにくく、スルホニル尿素薬よりも作用時間が短いのが特徴です。 ・服用は 1日 3回、食事をとる直前になります。食後に服用すると本来の効果が望めません。 ④インスリン抵抗性改善薬 ・インスリンの効きをよくして血液中のブドウ糖の利用を高めて、血糖値を下げます。 ・さらに、血液中の中性脂肪を低下させる効果もあります。 ・スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)とくらべると血糖降下作用はやや劣りますが、低血糖を起こしにくいとされています。 ⑤ビグアナイド薬 ・小腸からのブドウ糖などの栄養素の吸収を妨げ、肝臓から血液中にブドウ糖がでていくのを抑えて、血糖値の上昇を抑えます。 ・食欲を抑える作用もあるので、肥満体型で、いつも食べ過ぎてしまう方に適しています。 ・服用は食後が原則です。スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と比べると血糖を下げる作用は弱いです。 ・服用により、低血糖を起こすことはあまりありません。 ⑥インクレチン関連薬 ・インクレチン関連薬とは、小腸に存在するL細胞から分泌される消化管ホルモンの総称である「インクレチン」の分泌をうながす薬です。糖尿病の新薬としても注目されています。 ・このインクレチンの働きにより、インスリンの分泌が促されるので、血糖値を下げることができます。 ・インクレチン関連薬ならば、たとえ食べる量が少なかったとしても、必要以上に血糖値が下がらないという特徴があります。 ・インクレチン関連薬は、1日に1~2回程度飲めば効き目が持続する ・インクレチン関連薬を使うことで、インスリンを分泌している膵臓のβ細胞が増える、というデータがあります。 ・つまり、インスリンを分泌する能力が回復するので、糖尿病の薬を減らしたり、薬も必要でなくなる可能性があります |
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