食と健康の総合サイト e840.net

食育やダイエットからメタボ対策まで無料で栄養アドバイス
食と健康の総合サイト e840.net

食と健康の総合サイト e840.net
食中毒 血液検査 ビタミン ミネラル e840.net お問い合わせ

糖尿病とはどんな病気か

糖尿病とはどんな病気か

 糖尿病とは、血糖値が高い状態が長く続く病気です。血糖値が170mg/dl以上になると、尿にブドウ糖が血液中からあふれ出でてきます。このように尿の中にブドウ糖が漏れてくることがあるため、「糖尿病」と名づけられました。
 
 私たちが毎日の食事で摂取する栄養は腸から吸収されて血液中に入ります。また、摂りすぎた栄養分が一度、糖となり、これらは通常脂肪やそのほかの形となり蓄積されていきます。血糖は体のいろいろな細胞(脳、筋肉、肝臓など)に取り込まれて、エネルギー源として役に立ちます。通常では、血糖値は非常に狭い範囲に調節されています。その調は節膵(すい)臓のランゲルハンス島の中にあるβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンの作用によって行われています。このインスリンの分泌が低下したり、その働きが十分でないと血糖がスムーズに細胞内に入っていけなくなり、その結果血糖値は高くなります。

糖尿病の病型による分類

1型糖尿病

 膵臓のβ細胞が破壊してしまうことで、膵臓からインスリンが出なくなってしまい発症する糖尿病です。原因は自己免疫性、ウイルス感染、特発性(原因不明)などがあります。

2型糖尿病

 糖尿病の約9割がこの型に当てはまります。この型の糖尿病は親や兄弟に糖尿病にかかっている人がいることが多く、遺伝が強く関係しているといわれています。そのほかに過食、肥満、運動不足、ストレス、加齢などの複数の因子が絡み合うと、インスリン分泌が低下したり、インスリンの働きが低下して2型糖尿病を発症することになります。とくに肥満になると、インスリンの働きが低下して2型糖尿病になりやすくなります。中年以降の発症例の多くは2型糖尿病です。

その他の特定の機序・疾患による糖尿病

 非常にまれな遺伝子の異常、膵臓の手術、肝臓病や甲状腺の病気に合併、ステロイドホルモンなどの薬などにより発症する糖尿病などがあります。

妊娠糖尿病

 妊娠を契機に発症した糖尿病あるいは耐糖能異常(糖尿病にまではいかないが血糖がやや高めである状態)のことで、すでに糖尿病と診断されている患者さんが妊娠した状態とは区別されます。
[1]のちに真の糖尿病に移行しやすい
[2]胎児に巨大児などの合併症が起こりやすい
[3]子どもが将来糖尿病になる可能性がある    などの点で注意が必要です。

糖尿病の症状

 糖尿病の症状は気づきにくく、初期ではまったく症状のない人がほとんどです。糖尿病が悪化し血糖値がかなり高くなってくると初めて、のどが渇く、トイレが近くなる、尿の匂いが気になるなどの症状が現れてきます。さらに、血糖値が極めて高い状態では、昏睡(こんすい)に陥ることもあります。

 自覚症状がないからと糖尿病を放置していると、高血糖が全身の様々な臓器に障害(合併症)をもたらします。代表的な合併症としては、糖尿病性網膜症糖尿病性腎症糖尿病性神経障害は糖尿病の「三大合併症」と呼ばれています。網膜症が起こっても最初は自覚症状はありませんが、血糖値の悪化に伴い、失明に至ることがあります。腎症も最初は少量のタンパク尿が出るだけですが、徐々に体内に水分や毒素がたまるようになり、最終的には人工透析が必要となります。神経障害が起きると、しびれ、痛み、感覚鈍麻(どんま)、発汗異常、勃起障害などが起こります。さらに、その影響は心臓、脳、壊疽などの症状として現れてきます。

糖尿病の恐ろしさはこれらの合併症が全身に与える大きさです。
そのほかの、合併症について詳しく知りたい場合は、糖尿病の合併症についてをごらんください。


糖尿病の検査

①随時血糖値が 200 mg/dl 以上
②早朝空腹時血糖値が 126 mg/dl 以上
③75g糖負荷試験で2時間後の血糖値が 200 mg/dl 以上
1回目の検査後、別の日に2回目の検査を行う。2回の検査でいずれも血糖値が基準値以上の場合、糖尿病と診断されます。

④ただし、上記の一回目の検査の結果に加え、下記の項目が当てはまる場合は糖尿病型と診断します。
● 糖尿病に特徴的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)がある
● HbA1c が 6.5% 以上である
● 確実な網膜症がみられる


糖尿病の治療

 糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法があります。食事療法、運動療法が治療の基本ですが、これらだけで血糖値が下がらない場合には薬物療法を併用します。HbA1cを6.5%未満にすることで合併症の頻度が少なくなることが知られており、これが最低限達成すべき目標値となります(HbA1cが6.5%という状態は、空腹時血糖130mg/dl未満かつ食後2時間血糖値180mg/dl未満という状態に相当します)。

①糖尿病の食事療法

 性別、年齢、肥満度、活動量、血糖値、合併症の有無などを考慮し、1日のエネルギー摂取量を決めます。決められたエネルギー摂取量内で炭水化物、タンパク質、脂質のバランスをとり、適量のビタミン、ミネラルも摂取して、いずれの栄養素も過不足ない状態にします。詳細は医師や栄養士の指示に従って下さい。標準的なエネルギー摂取量は以下のように求められます。

<エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量>
 標準体重(kg)=身長(m2)×22
 エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×30(kcal/kg)(軽労働または中労働の方)
 エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg)×25(kcal/kg)(肥満の方)
 なお、肥満とはBMI(body mass index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25以上の状態のことをいいます。
(詳しくは糖尿病の食事とそのポイントをご覧ください)

②糖尿病の運動療法

 歩行運動では1回15~30分間、1日2回(7,000歩/日以上程度)が適当とされています。糖尿病に対する運動の効果はインスリン感受性の改善にあります。血糖コントロールが極端に悪い、網膜症の状態が悪い、腎不全のある、心臓や肺などの機能に障害のある、など場合は運動の制限が必要となりますので、それらについても医師の指導の元実施が必要となります。

③糖尿病の薬物療法

 薬物療法には経口血糖降下剤を使用する場合と、インスリンを使用する場合があります。以下に例をあげます。

経口血糖降下薬

1、SU薬(スルホニル尿素薬)
 主に膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促進する作用があります。主な副作用としては低血糖があります。
(例)グリミクロン錠(40mg)  1日20~120mg、1~3回分服
   オイグルコン錠(1.25mg)  1日1.25~7.5mg、1~3回分服
   ダオニール錠(2.5mg)  1日1.25~7.5mg、1~3回分服
   アマリール錠(1mg)  1日1~6mg、1~3回分服

2、速効性インスリン分泌促進薬
 SU薬よりもより速やかに膵臓のβ細胞からインスリン分泌を促進する働きがあり、食後の高血糖の改善に有効です。糖尿病患者の特徴である食後インスリン分泌の遅れを改善し、インスリンの総分泌量は変えません。効果は短時間で消失するため、毎食前に服用します。主な副作用としては低血糖があります。
(例)スターシス錠(30mg)  1日90~360mg、食前3回分服
   ファスティック(30mg)  1日90~360mg、食前3回分服
   グルファスト(10mg)  1日15~30mg、食前3回分服

3、α-グルコシダーゼ阻害薬
 摂取した炭水化物が分解して作られたブドウ糖は、小腸から血液中に吸収されて血糖となります。この薬剤は小腸からのブドウ糖の吸収をゆっくりさせることで食後の高血糖を改善します。この薬も毎食前に服用します。主な副作用としては消化器症状があります。
(例)ベイスンOD錠(0.2mgまたは0.3mg)  1日0.6~0.9mg、食前3回分服
   グルコバイ錠(50mg)  1日150~300mg、食前3回分服
   セイブル(25mg)     1日150~225mg、食前3回分服

4、インスリン抵抗改善薬
 主に肝臓や筋肉でのインスリンの感受性を改善することにより、血糖値が下がりやすい体質にします。ビグアナイド薬は主に肝臓に作用します。主な副作用としては消化器症状があります。チアゾリジン薬は肝臓と筋肉に作用します。主な副作用としては浮腫(ふしゅ)があり、心不全の方は服薬できません。
・ビグアナイド薬
 例:メルビン錠(250mg)  1日250~750mg、1~3回分服
 ジベトスB錠(50mg)  1日50~150mg、1~3回分服
・チアゾリジン薬
 例:アクトス錠(15mgまたは30mg)  1日15~30mg、1回分服

インスリン

 自分の膵臓からのインスリンの分泌が十分でない場合には、外からインスリンを補充してあげる必要があります。日本ではインスリンは皮下に注射します。
 食後に分泌されるインスリン(追加分泌といいます)を補充するためには、速効型インスリンや超速効型インスリンを毎食前に使用します。また、人の膵臓からは食事と関係なく一定のスピードでインスリンが分泌されているのですが、このインスリン(基礎分泌といいます)を補充するためには、中間型インスリンや持効型インスリンを使用します。速効型インスリンや超速効型インスリンと、中間型インスリンがいろいろな比率で混ざっている混合型インスリンもあります。医師は患者さんそれぞれの病気の状態により、適切なインスリンの種類と量と注射の回数を決めていきます。


糖尿病の治療期間と予後

 血糖値をできるだけ正常値に近づけることで、高血糖によって起こる恐ろしい様々な合併症を防ぐことができます。そのためにも早期に糖尿病を発見し治療することが大切です。治療によって一時的に血糖値が下がったとしても、血糖値が上がりやすいという遺伝的な体質や、一度破壊されたβ細胞の機能は正常に戻るわけではありませんので、治療を中断するとすぐに血糖値は高くなってしまいます。そのためにも定期的に通院して、一生治療を続けながら生活をしていくことが大切です。


糖尿病の予防

 糖尿病の予防は、肥満体の方は肥満の改善。また、暴飲暴食をしないように、そしてバランスの良い食事を摂る事です。また、定期的な運動も予防に大きな効果を示します。
 具体的な、予防方法については、糖尿病の原因とその治療についてをご覧ください。糖尿病の食事、運動がとても糖尿病の予防に効果があります。


糖尿病によい漢方薬

糖尿病に良い漢方薬
白虎加人参湯
(びゃっこかにんじんとう)
清心蓮子飲
(せいしんれんしいん)
口の渇きや手足のほてりを伴う場合
八味地黄丸
(はちみじおうがn)
牛車腎気丸
(ごしゃじんきがん)
冷えや排尿障害、しびれがある場合
防風通聖散
(ぼうふうつうしょうさん)
大柴胡湯
(だいさいことう)
便秘やかゆみを伴う場合
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
便秘やしびれを伴う場合


糖尿病によいサプリメント

糖尿病によいサプリメント
コエンザイムQ10 脂質の抗酸化作用があり、細胞膜を酸化から保護しビタミンEを節約する効果があると言われています。
EPA イワシなどの青魚の脂肪に含まれる必須脂肪酸のひとつ。「動脈硬化や脂質異常症などの予防や改善によい」などと言われています。
グルコサミン 糖の一種で、グルコースにアミノ基が付いたアミノ糖。「関節の動きをなめらかにする」とか「関節の痛みを改善する」などと言われています。
イチョウ葉 中国原産で日本でも栽培されている落葉高木で、「血液の流れを良くする」などとして古くから漢方として利用されています。
亜鉛 医薬品との相互作用が多く知られており、1型糖尿病の患者では糖尿病治療の指標であるHbA1c値が高くなる可能性と、血中hdlコレステロール値が低くなる可能性が指摘されています。

■ 病気と栄養メニュー
病気と栄養 病気と栄養トップページ
生活習慣病について 生活習慣病について
腎臓の病気について 腎臓の病気について
胃腸の病気について 胃腸の病気について
肝臓と胆嚢の病気について 肝臓と胆嚢の病気について
呼吸器の病気について 呼吸器の病気について
心臓の病気について 心臓の病気について
膵臓の病気について 膵臓の病気について
血液の病気について 血液の病気について
うつ病について うつ病について
糖尿病について 糖尿病について
糖尿病とはどんな病気か
糖尿病の診断基準
糖尿病の初期症状のサイン
糖尿病の原因とその治療
糖尿病の食事とそのポイント
知ってますか劇症型糖尿病
糖尿病の合併症について
急性合併症
1.糖尿病性昏睡
 1)ケトン性昏睡
 2)非ケトン性高浸透圧性昏睡
 3)乳酸アシドーシス
 4)低血糖性昏睡
2.急性感染症
慢性合併症
1.細小血管障害
 1)糖尿病性網膜症
 2)糖尿病性腎症
 3)糖尿病性神経障害
2.大血管障害
 1)脳血管障害
 2)虚血性心疾患
 3)糖尿病性壊疽
3.その他
 慢性感染症
 など
アレルギーについて アレルギーについて
癌(がん)について 癌(がん)について
内分泌疾患について 内分泌疾患について
食と健康総合サイトe840.net >> 病気と栄養 >> 糖尿病の症状・検査・治療について >> 糖尿病とはどんな病気か

糖尿病の症状・検査・治療について 糖尿病とはどんな病気か 糖尿病の診断基準

病態栄養トップページに戻る
ダイエット メタボ 食事バランスガイド
ダイエット方法 おすすめするダイエット方法を紹介します。無理なダイエットは辛く長続きしません。ダイエットのポイントは、長続きさせる事!正しいダイエット知識で綺麗に痩せましょう メタボ対策 ちょっと昔は、カッコ良かったあなたも年齢とともにダンダンと中年太りになり、血圧、血糖値が高くなりましたら注意信号です。早め早めの対処で正しい体重にダイエットをしましょう。 食事バランスガイド
病気と栄養 健康診断
病気と栄養(食事療法) 色々な病気になった時に食事は治療を早めたり、回復させたりする力があります。逆に病気になった時に控えなければいけないものもあります。食事は毒にも薬にもなります。 生活習慣病(メタボ検診)の血液検査などの検査結果をチェック 気になる生活習慣病検診(メタボ検診)や健康診断結果について解説しています。メタボ体系になったら少しダイエットを考えましょう。 栄養辞典では抗酸化物質以外も説明 食育
ノロウイルス
ノロウイルス 毎年11月から翌年2月はノロウイルスが大流行いたします。特に食材の十分な加熱と手洗いの実施が重要です。また日頃の健康管理もチェックしましょう。 衛生栄養博士の大辞典 健康相談窓口
夕ご飯
献立の基本 献立の基本
美味しいお米の炊き方 美味しいお米の炊き方
ダシ出汁 ダシ出汁
調味料 調味料
メニュー集 メニュー集
裏ミシュラン 裏ミシュラン
リンク集 リンク集
健康と栄養辞典
ビタミン ビタミン
ミネラル ミネラル
ボツリヌス菌食中毒以外も説明 ボツリヌス菌食中毒以外も説明
サプリメント 血液辞典
サプリメント サプリメント
漢方薬 漢方薬
放射能 放射能
栄養士と管理栄養士
栄養士 栄養士
管理栄養士 管理栄養士
国家試験 国家試験
e840.netについて
お問い合わせ お問い合わせ
サイトポリシー サイトポリシー
管理人について 管理人について

Copyright e840.net All rights reserved. 2013.2