脳の病気の種類 |
各疾患の説明 |
かぜ症候群 |
医学的に「かぜ」という病気はありません。一般的に上気道(鼻・咽頭・喉頭)の急性炎症の呈する疾患の総称を「かぜ症候群」と言います。最近ではその症状が上気道だけでなく下気道(気管・気管支・肺)にまで広がっていることが多く、多病因による気道の炎症症状を総称する意味で「かぜ」または「かぜ症候群」という病名が使われています。 |
インフルエンザ |
インフルエンザとはインフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症のことで、多くは上気道炎症状・呼吸器疾患を伴うことで流行性感冒、詰めて流感と言われています。 |
急性気管支炎 |
急性の炎症が気管支の粘膜におこる病気を、急性気管支炎といいます。ほとんどはウイルス感染が原因でおこり、かぜに含まれます。
かぜ症候群では、鼻汁や鼻づまり、くしゃみなどの上気道の症状、せきやたんなどの下気道の症状、発熱や全身倦怠(だるさ)、関節の痛みなど、全身の症状がみられますが、せきやたんの症状が強い場合には、急性気管支炎と呼ばれることがあります。 |
肺炎 |
肺に起こる炎症の総称。炎症の範囲から大葉性肺炎・気管支肺炎・間質性肺炎に分けられます。細菌・ウイルス・マイコプラズマ・クラミジアなどの感染によるものや、放射線・薬剤などに原因するものがあり、発熱・咳(せき)・痰(たん)・呼吸困難などの症状を呈します。 |
肺化膿症 |
肺化膿症は、肺炎と同様に肺胞(はいほう)に細菌が増殖し、それに対して生体側の白血球を主とする炎症細胞や感染防御物質が集まり、炎症を起こした状態の感染症ですが、それに組織の破壊(壊死(えし))を伴うのが特徴的な病態です。その結果、肺内に空洞が広がり、液状の壊死物質が空洞内にたまります。簡単にいうと肺に穴があき、その穴のなかにうみがたまった状態です。肺壊疽(えそ)や肺膿瘍とも呼ばれます。 |
肺結核 |
肺結核は結核菌による肺感染です。若い人から高齢者まで年齢と関係なく発症します。結核を気づかずにいると、周囲の人にまで感染させ、多くの社会問題となります。肺の結核が結核全体の90%を占めています。
肺結核は痰の中に菌がいなければ、他人にうつる可能性はほとんどありません。また、菌を吸引しても100%結核になるというわけではありません。結核の恐ろしいところは、結核菌が比較的弱毒菌のため、初期には症状が軽く、気づいた時には病状がかなり進行してしまうことです。 |
肺非結核性抗酸菌症 |
非結核性抗酸菌とは、「結核の親戚の菌で、培養可能な抗酸菌」です。以前は非定型抗酸菌と呼ばれていました。この菌は、結核菌とは異なり人から人には感染しません。ですから肺非結核性抗酸菌症と診断されても、肺結核のように隔離のために入院する必要はありません。またこの菌の感染症では、普通の免疫状態の方であれば、結核の様に急速に悪化することも稀です。 |
肺真菌症 |
肺真菌症とは、肺の中に真菌すなわちカビが増殖し、肺炎と似た症状が強くでる病態です。このカビの種類は極めて多く、それらは通常自然界やヒトの体内に一般的に存在しています。しかし、ヒトが健康である限り、それらが肺の中で増殖し肺真菌症を発症することは殆どありません。我々は感染症と闘う強い力を持っているからです。けれども、もしこの力が大きく弱まった時には、発症する可能性があります。特に、白血病や種々の癌の進んだ状態、ステロイド剤を長く服用している場合などでは注意が必要です。 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD) |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。COPDは「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患」であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病と考えられています。わが国のCOPD患者は確実に増加しつつあり、40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されています。しかし、実際には22万人程度しか治療を受けていないことから、多くの未診断、未治療の患者が潜在していると思われます。 |
びまん性汎細気管支炎 |
気管支は中枢から末梢へ枝分れしてだんだん細くなり、「肺胞」という小さな袋に入る手前の部分を呼吸細気管支といいます。びまん性汎細気管支炎は、この部分の慢性炎症のために咳や痰が出たり、息苦しくなる病気です。東アジアで多くみられる病気ですが、近年わが国の患者数は減少してきています。発症に男女差はほとんどなく、発症年齢は40~50歳代をピークとしていますが、幅広く各年代層にわたっています。はっきりした原因は未だ不明ですが、環境要因と遺伝的な要因の両者が関わって発症する病気と考えられています。 |
気管支ぜんそく |
気管支ぜんそくは、呼吸をするときの空気の通り道である気管支が敏感なために、時々痙攣を起こして狭くなり、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)や咳が出て呼吸が苦しくなる発作を起こす病気です。気管支が敏感になるのは、そこにアレルギーなどが関係した炎症があるためなのです。また、特に高齢者では死に至る場合もあるため、発作がなくても普段から吸入ステロイドを中心とした治療を怠らないことが重要です。 |
特発性間質性肺炎 |
間質性肺炎の原因には、関節リウマチや多発性皮膚筋炎などの膠原病(自己免疫疾患)、職業上や生活上での粉塵やカビ・ペットの毛・羽毛などの慢性的な吸入、病院で処方される薬剤、漢方薬、サプリメントなどの健康食品、特殊な感染症など様々あることが知られていますが、原因を特定できない間質性肺炎を「特発性間質性肺炎」といいます。 |
サルコイドーシス |
サルコイドーシスは原因不明の多くの臓器に発症する疾患です。この病気は、全身のいろいろな臓器(頻度が高いのは両側肺門リンパ節、肺、眼、皮膚、唾液腺、心臓、神経、筋肉など)に、結核によく似た病巣を作ります。一般にそのような病巣は「非乾酪性類上皮細胞肉芽腫」と呼ばれています。 |
肺がん |
肺がんは戦後一貫して増加傾向にあり、日本では1998年以後、がんの中で死亡原因の第一位を占め、年間約8万人が肺がんになり、6万人以上の方が亡くなっています。症状としては、せき、呼吸困難、胸痛、血痰などが認められますが症状が出現したときにはすでに進行した状態であることが多く一方、無症状のこともあり、早期発見には定期的な検診が重要です。 |
肺血栓塞栓症 |
肺血栓塞栓症は、心臓から肺に血液を送る血管に血液が固まってできた塊がつまるために起こる病気です。血液が固まって血管を塞ぐものを血栓と言います。肺動脈を塞ぐ血栓の多くは足や腕の太い静脈の中で生じて、何らかのきっかけで静脈を通って心臓に到達します。さらに心臓から肺への血液の流れに乗って運ばれて肺動脈を塞ぎます。 |
肺動脈性肺高血圧症 |
心臓から肺に血液を送るための血管を肺動脈といいますが、この肺動脈の血圧が異常に上昇するのが肺高血圧です。肺高血圧には色々なタイプがありますが、1mm以下の細い肺動脈に原因があって肺動脈圧が上昇する疾患を肺動脈性肺高血圧症といいます。この疾患の原因はまだ充分解明されておりませんが、いくつかの疾患に合併する頻度が高いことが知られています。このような合併症と関係がないものを、これまで原発性肺高血圧症という診断名が用いられてきましたが、最近、特発性肺動脈性肺高血圧症と改称されました |
肺水腫 |
肺水腫とは、血液の液体成分が血管の外へ滲み出した状態です。肺内に液体成分がたまるため肺で酸素の摂取が障害されて、低酸素血症となり、呼吸困難が現れます。 肺水腫の原因には大きく分けて2種類があります。一つは心臓に原因がある場合で、心筋梗塞などによって心臓の左心室から全身へ血液を送り出す力が低下し(心不全)、そのため血液が肺に余分にたまってしまった状態で、これを心原性肺水腫と呼びます。 |
胸膜炎 |
胸膜炎とは、肺を取り囲んでいる胸膜に何らかの理由で炎症が生じている状態を指します。このような場合、多くは胸膜の中にある血管から血液中の蛋白や水の成分が2枚の膜の間のスペース(胸腔)に浸みだして、胸水という病態をとります |
気胸 |
気胸は肺そのものを包んでいる胸膜に穴が開き肺内の空気が、2枚の膜の間のスペースにもれてしまうことをいいます。原因別に自然気胸、外傷性気胸、医原性気胸などと呼ばれます。自然気胸には、原発性と続発性の2つがあり、多くは原発性です。原発性自然気胸は背が高く細長い体型の若い男性に多発します。 |
呼吸不全 |
肺の病気が進行すると肺本来の働き、つまり酸素を体内に取り込み、体内で産生した二酸化炭素を大気中へ放出することができなくなります。その結果、血液中の酸素濃度が低下する低酸素血症や、二酸化炭素濃度が増加する高炭酸ガス血症を生じてしまいます。このような異常状態を呼吸不全といいます。二酸化炭素の増加を伴わない場合をI型呼吸不全、伴うものをII型呼吸不全と呼びます。このような呼吸不全が1か月以上続く状態を慢性呼吸不全といいます。また、一か月以内に急性に進行するものを急性呼吸不全と言います |
気管支拡張症 |
気管支拡張症は気管支が拡がって元に戻らない病気で、生まれつき(先天性)、あるいは小児期の肺炎、肺結核などの感染症のため気管支の壁が破壊されることにより起こります。気管支の一部のみで起きることもあれば、広範囲に生じることもあります。気管支は空気の通り道というだけでなく、吸い込んだ異物から体を守る働きもあり、一度破壊されると容易に細菌などの感染の場となり、感染と破壊の悪循環に至ります。 |
じん肺 |
じん肺とは鉱物のほこり(無機粉じん)を長期間吸い続けることにより起きる肺の病気で、土木建築、鉱業、鋳物、溶接、研磨、築炉や石綿を取り扱う作業などに就いている人に多くみられます。吸入した鉱物の種類や職業名により、けい肺、石綿肺、炭鉱夫肺などと呼ばれます。肺に吸い込まれた粉じんは容易に体外に排出されないため、長期間肺を刺激し、徐々に線維成分を増加させます(線維化)。線維化を起した肺は機能が落ちて、咳、痰、息切れなどの症状が出ます。 |
過換気症候群 |
過換気がおこると、体内のとりこむ酸素は多くなり、体外へ排出される二酸化炭素の量も多くなります。過換気症候群は、何らかの原因で過換気が生じ、体内の二酸化炭素が最適な値からずれて下がってしまい、身体がアルカリ状態になることで、しびれや筋の硬直など種々の症状がみられるものです。過換気は、酸素不足(低酸素血症)、肺炎など肺の病気、心臓や甲状腺の病気、服用している薬などさまざまな原因でおこりますが、不安などの精神的ストレスが原因で過換気が起こる場合もあります。 |
睡眠時無呼吸症候群 |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、その名のとおり、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。睡眠中に10秒以上、口・鼻の空気の流れ(呼吸)が止まってしまった状態を睡眠時無呼吸といいます。呼吸が止まらなくても呼吸が弱くなり体の中に酸素が足りない状態となるものを睡眠時低呼吸といいます。 |