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心の病気の症状・種類・原因・食事|病気と栄養

心の病気の症状・種類・原因・食事|病気と栄養

 こころの病気といっても、種類も症状も様々です。こころの病気を診断し、病名をつける方法は体の病気とは考え方が異なっています。体の病気の場合、病名は臓器の種類や部位、原因によって分類されることが多いのですが、こころの病気の場合は、おもに脳というひとつの臓器を対象にしており、また原因がわかっていない疾患が多いという特徴があります。

そのため、現在では特徴となる症状と持続期間およびそれによる生活上の支障がどの程度あるかを中心に診断名をつける方向に変わって来ました。こころの病気についてのおもな診断基準として、アメリカ精神医学会が作成したDSMや世界保健機関によってつくられたICD(国際疾病分類)があり、日本でも広く使われています。こうした診断基準では、病名をつけるうえでは原因は問わないことが基本となっています。

社会的な環境やストレスの状態も含めて総合的に診断することは治療方針を決める上でとても大切です。
同じうつ病という診断がついた場合でも、ストレスがきっかけの場合もあれば、体の病気と関係していることもあります。

心の病気の症状について
症状から心の病気を知る
(心の病気による身体面の症状)
(心の病気による心理面の症状)
(心の病気による生活や行動面の症状)
心の病気の種類と病態について

心の病気の症状について

 あなた自身や、あなたの身近な人のことが心配なとき、こころの病気の症状を知っていることが役立ちます。体の病気の場合は診察や採血などの検査をすれば診断がつくことがありますが、こころの病気の場合は本人の主観的経験も含めて、医師が症状と経過を総合的に判断して診断をすることになります。こころの病気にはどういう症状があるかを知っておけば、自分や自分の身近な人の状態をより正確に評価して、適切な対策を講じることができます。医療機関を受診したときに、自分の状態をより正確に伝えることもできるでしょう。


(心の病気にある様々な症状)

 あなた自身や、あなたの身近な人のことが心配なとき、こころの病気の症状を知っていることが役立ちます。体の病気の場合は診察や採血などの検査をすれば診断がつくことがありますが、こころの病気の場合は本人の主観的経験も含めて、医師が症状と経過を総合的に判断して診断をすることになります。こころの病気にはどういう症状があるかを知っておけば、自分や自分の身近な人の状態をより正確に評価して、適切な対策を講じることができます。医療機関を受診したときに、自分の状態をより正確に伝えることもできるでしょう。


(症状があるからといって、心の病気とは限りません)

 こころの病気の可能性を考える有力な手がかりが症状ですが、症状があるからといって病気であるとは限りません。私たちはいつもストレスにさらされながら生活しています。大きな出来事があれば眠れないこともありますし大切な人が病気になれば気持ちが憂うつになります。これは自然な反応です。健康な人では、何かの症状や変化が出ていても、ストレスが去れば元の状態に戻る力があります。これを復元力(レジリエンス)といいます。この復元力が十分働いているときは病気にはなりにくいのです。
症状が長く続いたり、生活するうえで支障が大きい、つらくて苦しいといった場合には病気の可能性があります。


症状から心の病気を知る

 心の病気は、身体に様々な影響をもたらします。身体面では疲れやすい、倦怠感、動悸やめまいなど、心理面では、憂鬱、不安や緊張等が起こります。生活や行動面においても、行動の変化やひきこもりなどが出てきます。

(心の病気による身体面の症状)

疲労、全身倦怠感 ~体がだるい、重い、疲れがとれない~
動悸・めまい ~心臓がどきどきする、息苦しい、めまいがする~
頭痛 ~頭が痛い、ずっしり重く感じる、ズキズキ痛む~
不眠 ~寝つけない、何度も目が覚める~
食欲不振 ~おいしく食べられない、何も食べたくない~

(心の病気による心理面の症状)

憂鬱(ゆううつ) ~気持ちがしずむ、楽しいことがない~
不安緊張 ~気持ちが落ち着かない・どきどきして心細い~
怒り ~イライラする、怒りっぽくなる~
幻聴 ~誰もいないのに声が聞こえる~

(心の病気による生活や行動面の症状)

生活の乱れ ~服装の乱れ、昼夜逆転している、生活が不規則~
行動の変化 ~ミスが増える、ぼんやりしている、遅刻が増える~
自傷行為 ~リストカットや抜毛など、自分を傷つける~
ひきこもり ~外出したくない、人に会いたくない~


心の病気の種類と病態について

内分泌疾患の種類 各疾患の説明
アルコール依存症  アルコール依存症は、薬物依存症のひとつです。ほかの薬物依存症と同じようにアルコール依存症も「脳の病」であり「行動の病」です。

 薬物依存症の主な症状は、「強化された薬物探索・摂取行動」と規定され、脳に行動の記憶として刻印され、完治することがない病気です。長期にわたる断薬(アルコール依存症では断酒)をしても、少量の再摂取から短期間に断薬(断酒)直前の摂取行動にもどります。ほかの慢性疾患と同様に再燃(再発)しやすい病気です。
うつ病  眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
解離性障害  解離性障害は、自分が自分であるという感覚が失われている状態といえるでしょう。たとえば、ある出来事の記憶がすっぽり抜け落ちていたり、まるでカプセルの中にいるような感覚がして現実感がない、いつの間にか自分の知らない場所にいるなど、様々な症状があります。
こうした中で、自分の中にいくつもの人格が現れるものを多重人格障害(解離性同一性障害)といいます。ある人格が現れているときには、別の人格のときの記憶がないことが多く、生活面での様々な支障が出てきます。
これらの症状は、つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる一種の防衛反応と考えられています。治療では、安心できる環境にすること、家族や周囲の人が病気について理解することがとても大切です。
強迫性障害  強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
摂食障害  摂食障害には食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症、極端に大量に食べてしまう過食症があります。拒食症では、食事量が減る、低カロリーのものしか食べないことから体重が極端に減る、やせて生理がこなくなるといった症状があります。過食症は、いったん食べ始めるとやめられない、むちゃ食いしては吐く、食べすぎたことを後悔し、憂うつになるなどの症状がみられます。拒食症から、過食症になることもあります。
双極性障害(躁うつ病)  うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態をくりかえします。躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられます。
適応障害  適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。たとえば憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも、有効な治療法です。
統合失調症  統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。
陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。
認知症  認知症とは、正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響がみられる病気です。
認知症の中でいちばん多いアルツハイマー型認知症は、男性より女性に多くみられ、脳の機能の一部が萎縮していきます。血管性認知症は比較的男性に多くみられ、全体的な記憶障害ではなく、一部の記憶は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状は段階的に、アルツハイマー型よりも早く進むことがあります。
初期は、加齢による単なる物忘れに見えることが多いでしょう。しかし、憂うつ、外出をいやがる、気力がなくなった、被害妄想がある、話が通じなくなった、外出すると迷子になる、お金の勘定ができなくなったなどのサインが出てきたときには、専門機関に相談してみましょう。
パーソナリティー障害  パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患です。認知(ものの捉え方や考え方)や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。注意したいのは、「性格が悪いこと」を意味するものではないということです。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。パーソナリティ障害と合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティ障害は背後から悪影響を及ぼす黒幕のような病気だということができます。
発達障害  発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
ですが、発達障害は「先天的なハンディキャップ」ではなく、「一生発達しない」のでもありません。発達の仕方が通常の子どもと異なっていますが、支援のあり方によって、それがハンディキャップとなるのかどうかが決まるといえます。
パニック障害・不安障害  突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。
PTSD  PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。ストレスとなる出来事を経験してから数週間、ときには何年もたってから症状が出ることもあります。こうしたつらい症状が続いているときは、専門機関に相談しましょう。
薬物依存症  薬物依存症とは、大麻や麻薬、シンナーなどの薬物をくりかえし使いたい、あるいは使っていないと不快になるため使い続ける、やめようと思ってもやめられないという状態です。こうなると日常生活に支障が出てもやめられない、また薬物を手に入れるためになりふりかまわなくなるといったことが出てきます。
欲しいという欲求が我慢できなくなる精神的依存、クスリがなくなると不快な離脱症状が出る身体的依存があります。また、体がクスリに慣れてくるため、同じ効果を感じるためにクスリの量が増えてしまいます。
性同一性障害   女性なのに、自分は「本当は男なんだ、男として生きるのがふさわしい」と考えたり、男性なのに「本当は女として生きるべきだ」と確信する現象を「性同一性障害(gender identity disorder, GID)」と呼びます。このような性別の不一致感から悩んだり、落ち込んだり、気持ちが不安定になることもあります。
てんかん  てんかんは、突然意識を失って反応がなくなるなどの「てんかん発作」をくりかえし起こす病気ですが、その原因や症状は人により様々で、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発病する可能性があり、患者数も1000人に5人~8人(日本全体で60万~100万人)と、誰もがかかる可能性のあるありふれた病気のひとつです(1)。「てんかん発作」は、脳の一部の神経細胞が突然一時的に異常な電気活動(電気発射)を起こすことにより生じますが、脳のどの範囲で電気発射が起こるかにより様々な「発作症状」を示します。

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