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肝臓・胆嚢の病気の症状・種類・原因・食事|病気と栄養

肝臓・胆嚢の病気の症状・種類・原因・食事|病気と栄養

 肝臓は右上腹部に位置し、成人で約800~1,400gの重量を持つ人間の体内で脳に次いで二番目に大きな臓器です。肝臓の血流には、主に栄養を運ぶ役割をもつ門脈と、酸素を運ぶ肝動脈があり、約70~80%が門脈から、残りが肝動脈から供給され、肝静脈に集まって心臓に戻ります。

 門脈は主に腸からの血流を集める血管です。小腸で吸収された栄養素は、この門脈を通って肝臓に運び込まれます。腸で吸収されて運ばれたさまざまな物質の、代謝、排泄、解毒など生命の維持に必要な多くの働きを肝臓は行なっています。また消化液である胆汁を作り、胆管を通って十二指腸から腸管に流れ、消化の役割も担っています。

肝臓・胆嚢の症状・原因・食事の内容一覧

肝臓・胆嚢の構造と働きについて
病院で行われる主な肝臓・胆嚢の検査の概要と正常値
肝臓・胆嚢の病気の種類と病態について


肝臓・胆嚢の構造と働きについて

(肝臓の構造)

(肝臓のしくみ)図1
 肝臓は、人体の右上腹部に位置し、肋骨弓の後ろ側で、脳に次いで人体のなか2番目に重い臓器です。成人の肝臓の重さは、1.2~1.5kgで、体重の約50分の1に、生まれたばかりの新生児においては、体重の約18分の1にもなるとても大きな臓器です。
 肝臓は、カントリー線(下大静脈と胆嚢を結ぶ面)によって、厚みがあって大きい右葉と、小さい左葉に分かれ、下面の中央に血管、胆管、神経が走っています。

(肝臓の血管について)
 肝臓に入る血管には、酸素を運ぶ肝動脈と栄養素を運ぶ門脈の2つの血管系があります。肝臓は、この血管系から入ってくる酸素や栄養素を使って、代謝、解毒、排泄などを活発に行っています。
 肝臓に送り込まれる血液量は、門脈から約70~80%、肝動脈から20~30%が供給され、心臓から供給(拍出量)される血液の約4分の1に相当する多くの血液の循環調節を行なっています。
 門脈は、胃、小腸、大腸、膵臓および脾臓からの静脈が集まった血管です。小腸で吸収されたぶどう糖やアミノ酸は、この門脈を通って肝臓に運びこまれます。
 *肝硬変などにより肝臓に障害が起こると、血流がうっ滞するため門脈の圧が上昇(門脈圧亢進症)を引き起こし、側副血行路と呼ばれる異常な血管が門脈と大静脈との間に現われてきます。その1つが吐血の原因となる食道静脈瘤です。


1、門脈について図2
 門脈は12回枝分かれした後、毛細血管に相当するもっとも細い血管(類洞)になります。この血管内皮細胞には特徴的な小孔があり、それが血液から肝細胞への物質のとりこみを容易にしています。
 類洞を流れた血液は、肝静脈から下大静脈に入り、心臓に送られます。

2、肝動脈について
 肝動脈は、大動脈から出る腹腔動脈から枝分かれした動脈で、肝臓の中でさらに左右に分かれます。
 また門脈、肝動脈と並んで胆管が走っています。この中を肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)が血液と逆方向に流れ、胆汁は総胆管(そうたんかん)を経て十二指腸(じゅうにしちょう)に排泄(はいせつ)されます。
図1
図2

図3

(肝臓の働き)

 肝臓は胆汁を分泌して消化を助けるはたらきをしますが、そのほか胃や腸から戻ってくる血液中に含まれている栄養の処理、貯蔵、中毒性物質の解毒、分解、排泄、血液性状の調節、身体防衛作用などのはたらきをしています。図1

代謝機能(たいしゃきのう)

 人間は食物から栄養素をそのままの形で利用することはできません。したがって、肝臓は、吸収された動物性・植物性の栄養素を別の成分に変えて貯蔵し、必要に応じて、これらを分解してエネルギーを産生しています。
 また、肝臓でつくられた物質は血液中に送り出され、全身の器官や臓器に供給されます。
 栄養素をからだが利用しやすい形に分解・合成するはたらきを代謝といいます。

1、糖質代謝図2
 ごはん、パンなどに含まれる糖質は、からだのエネルギー源として重要な役割をする栄養素です。糖質はぶどう糖に分解された後、小腸から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます。ぶどう糖は肝臓内でグリコーゲンに変換されて貯蔵されており、必要に応じてグリコーゲンから再びぶどう糖がつくりだされて、いろいろな組織にエネルギーを供給しています。また、そのぶどう糖の放出量によって、血糖値も調節されています。
 そのため、肝硬変などにより肝機能が低下すると、グリコーゲンの産生が障害され、肝性糖尿といわれる糖尿病状態になります。
 ほかの糖類である果糖やガラクトースも、肝臓に入るとすぐにぶどう糖に変えられ、同様に代謝されます。

2、たんぱく質代謝図3
 たんぱく質は、アミノ酸からできています。アミノ酸は、1つの炭素原子に水素、アミノ基、カルボキシル基、および、それぞれのアミノ酸に特有の側鎖が結びついた構造になっています。肉や魚に含まれているたんぱく質は、小腸でアミノ酸に分解されてから吸収され、肝臓に運ばれます。
 食品から得られるアミノ酸は約20種類ありますが、フェニルアラニンなどのように、人間の体内では合成されず、食物から摂取しなければならないものを必須アミノ酸といいます。成人では8種(バリン、ロイシン、メチオニン、トレオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン)、幼児では9種類(成人に+ヒスチジン)の必須アミノ酸が、生体活動に必要となります。
 肝臓では、このアミノ酸からさまざまなたんぱく質が毎日約50g合成されています。そして、使われないアミノ酸は分解され、窒素酸化物、アンモニアを経て尿素となり、尿中に排泄されます。
 肝臓は、このたんぱく質合成によって、人体にたいせつなはたらきをする血漿たんぱく質をつくり出し、血液中に放出しています。
 血漿たんぱく質には、アルブミン、α‐グロブリン、β‐グロブリン、リポたんぱく、血液の凝固に必要なフィブリノーゲン、プロトロンビンなどの凝固因子があります。
 肝硬変になると、肝臓のたんぱく合成能が低下する結果、低アルブミン血症や凝固因子の低下による出血傾向などの障害が現われるようになります。

3、脂質代謝図4
 脂肪は、三大栄養素のうち、もっとも大きなエネルギー源であるだけでなく、脂溶性ビタミンを摂取するうえでも、重要な栄養素の一つです。
 脂肪は、胆汁と膵臓から分泌される酵素(膵酵素)によって遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、小腸で吸収されます。
 そして小腸粘膜で再び中性脂肪に合成され、リンパ管を経て大循環系(心臓→動脈→全身の臓器・組織→静脈→心臓という血液の流れ)に入り、肝臓にとりこまれます。
 肝臓では、脂肪酸の合成、分解のほか、コレステロールやリン脂質の合成が行なわれています。また、血液中の脂質はリポたんぱくと結合していますが、このリポたんぱくも肝臓でつくられます。
 アルコールの飲み過ぎや、糖尿病、肥満などが原因でおこる脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が多く蓄積した状態をいいます。

解毒機能図5

 肝臓は、様々な物質を毒性の少ない水溶性物質に変え、尿中や胆汁中に排泄する働きがあります。そのため、肝臓では酸化、還元、加水分解、抱合などのさまざまな化学反応が行なわれています。また、類洞にあるクッパー細胞は、肝細胞同様、門脈から肝臓内に入った毒素や異物を食べることで解毒作用を行なっています。
 肝臓のもう1つの解毒作用はアンモニアの代謝です。アンモニアは、腸管内の細菌によって、食物中のたんぱく質からつくられ、門脈を通って肝臓に運ばれます。このアンモニアは、肝臓のたんぱく質代謝機能によって尿素に変えられ、尿中に排泄されます。
 アンモニアは人体にとって有害な物質で、肝硬変などで肝機能が低下すると、血液中のアンモニア含有量が増えて脳が障害され、肝性脳症といわれる意識障害の原因となります。

その他の働き

・アルコールの代謝
・アルブミンの合成
・ケトン体の合成
飢餓時などグルコース枯渇時の代替エネルギー源となります。
・乳酸からのグルコースの再合成(コリ回路)
・造血機能
骨髄での造血が開始されるまでの間、肝臓と脾臓で造血されています。出生後は肝臓で造血されることはありませんが、何らかの理由で骨髄での造血が障害されると、肝臓での造血が見られることがあります(髄外造血という)。
・体温の維持・調節

胆嚢の働き図6

胆嚢は肝臓の下に張り付くようにある袋状の臓器です。
形はちょうどナスのような形をしています。
 胆臓で作られた胆汁を蓄える働きがあります。
胆汁は特に脂肪分の消化を助ける働きがあり、胆嚢は必要に応じて収縮して、この胆汁の流れ道(総胆管)を通して十二指腸へ送り出し食物の消化を助けます。
 この胆汁の流れがせき止められると、体が黄色くなる黄疸になります。
図1
図2

図3

図4図5図6


病院で行われる主な肝臓・胆嚢の検査の概要と正常値

 肝臓には、肝細胞・胆管細胞に接するように血液の通り道があります。
それぞれの細胞が血液の通り道に接しているため、肝細胞や胆管細胞に問題が起こると、肝臓内の物質が血液中に漏れ出します。
そのため、肝臓から漏れ出た物質の種類と量(検査値)をはかることで肝機能を検査できるのです。
 また、腫瘍そのほかの検査として、画像診断や細胞診等が行われます。

①GOT(AST)・GPT(ALT)

基準値 GOT(AST):10~40U/L
GPT(ALT): 6~40U/L
検査内容
多くの臓器、特に心臓、肝臓、筋肉、腎などの細胞に含まれている酵素です。これらの臓器が障害され、細胞が破壊されると、GOTは血液中に放出され、血清中の値が高くなります。
•肝臓のみならず、心臓や筋の破壊や壊死の有無及びその程度をみることが出来ます。 
•高値を示す病気は、肝障害、心筋梗塞、心筋症、骨格筋の病気などです。
「GOTが増えた場合」
・心筋梗塞 
・進行性筋ジストロフィー 

「GOTとGPTが増えた場合」
・急性肝炎:GOT,GPTとも非常に増える 
・慢性肝炎・脂肪肝:GPTがGOTより高いのが特徴 
・肝硬変・肝臓癌:GOTがGPTより高いのが特徴 
詳しくは、GOT(AST)GPT(ALT)をご覧ください。


②アルカリフォスファターゼ(ALP)

基準値 100~325 IU/L
検査内容
ALP(アルカリホスファターゼ)は、一般的な血液検査になります。
ALP(アルカリホスファターゼ)は、 胆道に疾患がないかを検査しています。(閉塞性黄疸や閉塞性胆道疾患)また、ガン患者さんでは骨転移があるかを検査しています。
「高値の場合」
・肝・胆道の病気:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝うっ血 
・ベーチェット病 
・骨疾患 
・慢性腎不全 
・甲状腺機能亢進症 

「低値の場合」
・貧血 
・肝萎縮 
詳しくは、アルカリフォスファターゼ(ALP)をご覧ください。


③乳酸脱水酵素(LDH)

基準値 120~240U/L
検査内容
この酵素は、ほとんどの臓器の細胞にあるもので、この酵素活性が上昇しているのは、どこかの臓器に損傷がある事を示しています。 
主に上昇するケースは
1.肝臓の病気:肝炎、肝硬変、胆道の病気 
2.悪性腫瘍:とくに転移があるとき 
3.血液の病気:白血病、リンパ腫 
4.心臓や肺の病気:心筋梗塞、心不全、肺梗塞 
などがあります。

「高値の場合」
・急性肝炎 
・心筋梗塞 
・白血病 
・悪性貧血 
・溶血性貧血 
・筋ジストロフィー 
・腎不全 
・膵臓炎 
・リウマチ 
・癌:肝臓癌、肺癌、膵臓癌、大腸癌 
詳しくは、乳酸脱水酵素(LDH)をご覧ください。


④コリンエステラーゼ(ChE)

基準値 男性 234~493 IU/L
女性 200~452 IU/L
検査内容
この酵素は、神経と赤血球に分布するものと、血液や肝にあるものの2つがあり、検査では後者を測定しています。 
•血清のコリンエステラーゼ(ChE)は、肝で合成され、血液中に分泌されており、肝臓での蛋白合成能力を反映します。したがってこの酵素は、肝臓がどのくらい働いているかを示します。肝障害では活性は低下します。
•一方、ネフローゼや脂肪肝などで肝臓が刺激された状態ですと、値は高まります。

「高値の場合」
・ネフローゼ症候群 
・脂肪肝 
・甲状腺機能亢進症

「低値の場合」
・肝臓病:慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌 
・悪性腫瘍 
・膠原病 
・有機リン酸農薬中毒 
・低栄養 
詳しくは、コリンエステラーゼ(ChE)をご覧ください。


⑤γ-GTP
基準値 男性 80 U/L
女性 48 U/L
検査内容
肝臓などの細胞の膜にある酵素で、アルコールや種々の肝臓の病気で合成が高まり、血液中へ出ていき、血清中の値が高くなります。 
•高い場合の多くは、アルコールによるものですが、種々の肝臓病(脂肪肝、肝炎、肝硬変、胆汁うっ滞、肝癌など)でも高くなります。 

「高値の場合」
・急性肝炎 
・アルコール性肝炎 
・肝臓癌 
・閉塞性黄疸
詳しくは、γ(ガンマー)-GTPをご覧ください。


⑥総蛋白・蛋白分画

基準値 血清総蛋白(TP):6.5~8.2
蛋白分画:
血清             % 
Albumin 58.5~71.0 
Globurin 
 α1 1.6~3.4 
 α2 5.5~10.0 
 β  7.0~11.0 
 γ  11.0~22.0 
A/G 1.40~2.40 
検査内容
血清の中には、アルブミン、免疫グロブリン、そのほかおよそ80種類の蛋白があり、体の働きに役立っています。これらの蛋白の合成の異常、分解の異常、消費または漏出があると、増えたり減ったりします。
•血清総蛋白の増減は、次の場合にみられます。 1.増加する場合:下痢、嘔吐などによる血液の濃縮、急性・慢性の炎症、悪性腫瘍、免疫グロブリンの異常 
2.減少する場合:栄養不良、蛋白の漏出(火傷、ネフローゼ、腹水など)、分解の亢進(甲状腺機能亢進症)、合成の低下(肝硬変) 

•蛋白のうち、どの蛋白の増減があるかは、分画を調べることによって知ることが出来ます。通常、5つの分画に分けられます。

「高い場合」
・高蛋白血症 
・慢性肝炎 
・肝硬変 
・悪性腫瘍 
・脱水症 
・多発性骨髄腫 
「低い場合」
・低蛋白血症 
・肝臓障害 
・ネフローゼ症候群 
・栄養不良
詳しくは、総蛋白蛋白分画をご覧ください。


⑦硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)

基準値 3.0~12.0 units
検査内容
血清中の蛋白の一分画であるγグロブリンを簡易に測定する方法です。 
•したがって、γグロブリンが増加する病気の判定に用いられます。とくに肝障害が慢性化し、肝硬変となるとγグロブリンが増加しますので、肝機能検査の一つとして、慢性化ないし肝硬変の指標として用いられています。
「高値の場合」
・肝臓病:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌 
・膠原病 
・悪性腫瘍 

「低値の場合」
・胆のううっ滞症 
・糖尿病 
・転移がん 
・悪性高血圧 
詳しくは、硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)をご覧ください。


⑧チモール混濁試験(TTT)

基準値 4.0以下 units
検査内容
硫酸亜鉛混濁試験と同様に、血清中のγグロブリンの量をみるものです。 
•したがって、γグロブリン、とくに炎症の早期に出現する免疫グロブリンMが増加する病気では、値は上昇します。

「高値の場合」
肝臓病:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝 
•高脂血症 
•膠原病
詳しくは、チモール混濁試験(TTT)をご覧ください。


⑨ビリルビン

基準値 0.2~1.2 mg/dL
検査内容
ビリルビンは赤血球の中のヘムなどが分解してできた黄色の物質です。まず肝臓に取り込まれ、水にとけやすい型となって、胆管より十二指腸に排泄されます。肝臓に取り込まれる前の非水溶性のビリルビンを間接ビリルビン、肝臓で水溶性となったものを直接ビリルビンとよび、両者を合わせて総ビリルビンとよんでいます。
①血清中にビリルビンが増加すると皮膚は黄色になり、これを黄疸とよんでいます。 
②血清中に間接ビリルビンが増加するのは
1.生成の増加:溶血が著しい場合 
2.肝臓に取り込まれない場合:ジルベール病など 
3.肝臓で水溶性にできない場合 
があります。
③血清中に直接ビリルビンが増加するのは
1.肝障害:肝炎、肝硬変など 
2.胆汁うっ滞 
3.閉塞性黄疸:胆石などによる胆管の閉塞 
があります。 
④総ビリルビンはいずれかが増えると増加します。 
⑤健診では総ビリルビンをだけを測りますが、いずれにしろ肝障害、胆道の閉塞の有無を中心とした検査指標となります。 
•総ビリルビンが高い場合、病院などで、直接型か間接型か調べると、原因がわかりやすくなります。
詳しくは、ビリルビンをご覧ください。


⑩LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)

基準値 35~75 U/L
検査内容
LAPとは、ロイシンなどの蛋白質を分解する酵素で、腎臓、肝臓、腸管、脳、膵臓、子宮、睾丸などの組織細胞に含まれています。 
•一般にLAPと呼ばれるのは、複数の物質を合わせたものの測定値で、その中の1つであるロイシンアミドだけを測定する方法もあります。 
•LAPは胆道から排泄されるので、正常な人は胆汁中に多いのですが、胆汁うっ滞がおこると、血液中に増えます。 
•したがって、LAP値は肝臓や胆道の病気を診断する手がかりとなり、また病気の経過をみるうえでも重要です。

・癌:肝癌、胆道癌、膵癌 
・薬剤性肝障害・ウイルス性肝炎 
・急性肝炎 
・慢性肝炎・代償性肝硬変 
・飲酒や妊娠 
・子宮や卵巣の癌

①LAPだけでは、治療の方針が立てられないので、他の肝機能検査の結果と組み合わせて総合的に判断されます。 
②LAPが境界値で、他の検査で正常な場合は、積極的な治療は行われませんが、再検査をして経過をみます。 
③胆汁がうっ滞して、LAP以外の胆道酵素が増加する場合は、超音波検査やCT検査などで、肝臓内胆管が拡張していないか、また肝膿瘍性病変がないかを検査します。 
④さらに胆道造影検査を行い、胆石や胆管炎、胆嚢癌、膵癌などを調べます。胆道系に異常がなくても肝臓内で胆汁がうっ滞している可能性もあるので、急性の時は、薬剤性肝障害やウイルス性肝炎についても調べ、慢性の時は、原発性肝硬変などについて調べます。
⑤肝臓以外で胆汁うっ滞して、強度の黄疸が現れた場合は、診断と治療をかねて、肝臓から胆管に管を入れて胆汁を取り除く、経皮経肝胆道ドレナージを行うことがあります。


脳の病気の種類と病態について

脳の病気の種類 各疾患の説明
急性肝炎・劇症肝炎  急性肝炎とは、肝炎ウイルスの感染、薬物、アルコール、肝炎ウイルス以外の種々のウイルス感染によって引き起こされる急性炎症を起こす肝臓障害をいいます。一般的には、肝炎ウイルスによる急性肝炎のみを指していていますので、ここではウイルス性肝炎のみを取り上げさせていただきます。 急性肝炎の原因となるウイルスには、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、およびサイトメガロウイルスやEBウイルス、ヘルペスウイルスなどがあります主な急性肝炎の種類には、「急性A型肝炎」「急性B型肝炎」「急性C型肝炎」の3つがあります。

 劇症肝炎とは、急性肝炎のなかでもとくに重症のもので、重度の肝機能不全と意識障害(肝性脳症)または肝性昏睡を特徴としています。
慢性肝炎  慢性肝炎は、急性肝炎より発症者ははるかに少ない病気ですが、数年間、ときには数十年間も続くことがあります。多くの場合軽症で、肝臓への重大な障害はありません。しかし、人によっては長期間にわたる炎症の持続が少しずつ肝臓を傷つけていき、ついには肝硬変(肝臓の重度の線維化)や肝不全、ときには肝臓癌になることがあります。
 慢性肝炎の約3分の1は、急性肝炎から進行したものです。残りの3分の2では、はっきりした症状がないまま徐々に病気が進行します。慢性肝炎のほとんどは肝炎ウイルスのいずれかが原因です。
脂肪肝  脂肪肝の原因として、アルコール依存症、肥満、糖尿病、血清中性脂肪値の上昇が多くみられます。このほか栄養失調、遺伝性の代謝障害、薬物(コルチコステロイド、テトラサイクリン、アスピリンなど)も原因となります。このような原因で肝細胞内に脂肪の蓄積が引き起こされるメカニズムは、まだ解明されていません。単に脂肪分を多く含む食事をすれば脂肪肝になるというわけではありません。1つの説明としては、これらの要因によって体内で脂質が代謝されて排出される速度が遅くなり、その結果体内に蓄積した脂肪が肝細胞内にたまると考えられています。

脂肪肝は、特に新生児に起きた場合などで原因がはっきりしないこともありますが、肝細胞のミトコンドリアの異常が原因の可能性があります。

アルコールや薬物、毒性物質とは関係がなく、肥満や糖尿病、血清中性脂肪値の上昇によって起こる脂肪肝でも、病気の基礎に炎症があると線維化が進み、肝硬変へと進行することがあります。このような脂肪肝は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれることがあります。
肝硬変  B型やC型肝炎ウイルス感染、アルコール、非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓に傷が生じますが、その傷を修復するときにできる「線維(コラーゲン)」というタンパク質が増加して肝臓全体に拡がった状態のことです。肉眼的には肝臓全体がごつごつして岩のように硬くなり、大きさも小さくなってきます。顕微鏡でみると肝臓の細胞が線維によって周囲を取り囲まれている様子が観察できます。そこで肝硬変になると、肝臓が硬いために起こる腹水や食道静脈瘤と、肝臓機能が低下するために起こる肝性脳症や黄疸が問題となります。
肝臓がん  一般に言われるがんの原因としては喫煙や食品添加物などの化学物質、紫外線などの放射線、食事、ストレスなど様々な要因があげられます。しかし、肝臓がんの場合、75%以上は肝炎ウイルスが深く影響しています。
 肝臓がん患者多くは肝細胞がんであり全体の約70%の人はC型肝炎ウイルスに、約20%はB型肝炎ウイルスに感染しています。 肝炎ウィルスによる肝炎の症状がなくても、肝炎ウィルスのキャリア(発症はしてないけれど(+)反応が出ている感染者)も肝臓がんの危険性は高いと言えます。
胆石症  胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。結石ができる場所により、肝内結石、胆管結石、胆嚢結石に分類されます。日本人の胆石症患者は年々増加しており、現在では日本人成人の10人に1人が該当するといわれています。理由としては、食生活の欧米化や高齢化、検査の普及により今まで分かっていなかったものが発見、等の理由により有病率が高くなってきています。性別では「男性<女性」となっています。胆嚢結石は胆石症の中で約80%と最も多く、胆管結石は約20%、肝内結石は約2%を占めています。
(胆嚢炎(たんのうえん)は、胆石症や細菌感染などが原因で起こる胆嚢の炎症を言います。急性胆嚢炎、慢性胆嚢炎、無石胆嚢炎、気腫性胆嚢炎と様々な胆嚢炎あります。胆嚢腺筋症を発症した場合は胆嚢癌との区別がつきにくいため手術で胆嚢を摘出することがあります。):胆嚢炎


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慢性腎炎
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下肢静脈瘤
膠原病(こうげんびょう)
円形脱毛症
白癬・カンジダ症
皮膚潰瘍
悪性黒色腫
乳房外パジェット病
皮膚リンパ腫
弾性線維性仮性黄色腫
目の病気
ドライアイ
VDT症候群
アレルギー性結膜炎
感染性結膜炎
ものもらい
感染性角膜炎
飛蚊症
緑内障
白内障
加齢黄斑変性
網膜剥離
糖尿病網膜症
結膜下出血
血液の病気
赤血球系疾患
鉄欠乏性貧血
悪性貧血
再生不良性貧血
鉄芽球性貧血
溶血性貧血
赤血球増多症
白血球系疾患
悪性リンパ腫
白血病
凝固因子系疾患
血小板減少性紫斑病
播種性血管内凝固症候群
血友病
その他の疾患
敗血症
アミロイドーシス
レイノー病
アナフィラクトイド紫斑病
内分泌疾患について
甲状腺
①甲状腺機能亢進症
バセドウ病
甲状腺クリーゼ
機能性甲状腺腺腫
下垂体腺腫
②甲状腺機能低下症
クレチン症
橋本病
③甲状腺炎
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎
慢性甲状腺炎(橋本病)
急性化膿性甲状腺炎
④甲状腺腫瘍
甲状腺腺腫
甲状腺がん
副甲状腺
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副甲状腺機能低下症
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ダイエット メタボ 食事バランスガイド
ダイエット方法 おすすめするダイエット方法を紹介します。無理なダイエットは辛く長続きしません。ダイエットのポイントは、長続きさせる事!正しいダイエット知識で綺麗に痩せましょう メタボ対策 ちょっと昔は、カッコ良かったあなたも年齢とともにダンダンと中年太りになり、血圧、血糖値が高くなりましたら注意信号です。早め早めの対処で正しい体重にダイエットをしましょう。 食事バランスガイド
病気と栄養 健康診断
病気と栄養(食事療法) 色々な病気になった時に食事は治療を早めたり、回復させたりする力があります。逆に病気になった時に控えなければいけないものもあります。食事は毒にも薬にもなります。 生活習慣病(メタボ検診)の血液検査などの検査結果をチェック 気になる生活習慣病検診(メタボ検診)や健康診断結果について解説しています。メタボ体系になったら少しダイエットを考えましょう。 栄養辞典では抗酸化物質以外も説明 食育
ノロウイルス
ノロウイルス 毎年11月から翌年2月はノロウイルスが大流行いたします。特に食材の十分な加熱と手洗いの実施が重要です。また日頃の健康管理もチェックしましょう。 衛生栄養博士の大辞典 健康相談窓口
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