ヘルパンギーナの症状は、発熱と激しい喉の痛み
ヘルパンギーナの症状は、潜伏期間(2~4日間)ののち、39℃前後の高熱が突然出て、咽頭の口蓋弓部(のどちんこの上辺り)にそった口腔粘膜に水疱や浅い潰瘍等の症状が出てきます。咽頭の水疱は初期の状態で大きさ1~2mm、2~3日すると5mm以内の黄灰白色の浅い潰瘍へと変化していきます。この水疱がつぶれたり、また潰瘍ができると、症状として唾液を飲み込むのもつらくなります。熱は年長児より年少児のほうが高くなる傾向がありますが、2
~4 日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失する事が多いです。ヘルパンギーナに感染しても無熱性のものもあるので注意が必要です。また、ヘルパンギーナによる症状により熱性痙攣を伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈する
ことがあるが重症化する事は少ないです
ヘルパンギーナによる細菌感染の注意点と症状
ヘルパンギーナは、乳幼児や子供が感染しやすく、脳炎や急性心筋炎などの合併症を引き起こす可能性があります。乳児がヘルパンギーナを発症すると不機嫌、哺乳力低下、よだれ、嘔吐。幼児の症状としては嚥下、頭痛や背部痛(筋肉痛)を伴います。哺乳力低下や嚥下困難により脱水等の症状をを起こすこともありますので注意が必要です。また、ヘルパンギーナによる合併症として、発熱初期に熱性けいれん、ごくまれに脳炎を合併することがありますで、経過中に何回も繰り返す嘔吐や頭痛等の症状には十分注意が必要です。
ヘルパンギーナの感染と流行
ヘルパンギーナの流行は、熱帯では通年性にみられるが、温帯では夏と秋に流行がみられます。日本は毎年5 月頃より増加し始め、6~7月にかけてピーク となり、8月に減少、9~10月にかけて消滅をしていきます。また、日本国内におけるヘルパンギーナの流行は、例年西から東へと推移する。その流行規模はほぼ毎年同様の傾向があります。
ヘルパンギーナの原因
ヘルパンギーナの原因は、エンテロウイルスによる感染であり多彩な病状を示す疾患であります。また、ヘルパンギーナの場合にもまれに、無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがある。ヘルパンギーナによる無菌性髄膜炎の場合には、発熱以外に頭痛、嘔吐などの症状があらわれます。また、ヘルパンギーナによる急性心筋炎の場合には、心不全徴候の出現に十分注意することが必要になります。
ヘルパンギーナは、ウイルスによる感染が原因
ヘルパンギーナの原因は、ウイルスを原因とする感染症です。原因ウイルスは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルス群に属するウイルスです。エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科に属する多数のRNA
ウイルスの総称であり、ポリオウイルス、A群コクサッキーウイルス(CA)、B群コクサッキーウイルス(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68~71
型)など多くを含みます。エンテロウイルス属の宿主はヒトだけであり、感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染 であり、急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いが、エンテロウイルス感染としての性格上、回復後にも2
~4週間の長期にわたり便からウイルスが検出される。さらにヘルパンギーナはエンテロウイルス群の中でも主にコクサッキーウイルスが原因となって発症します。(注:発症原因となるエンテロウイルスは幾つも確認されておりコクサッキーウイルスだけとは限りません。)
ヘルパンギーナによる二次感染に注意を
ヘルパンギーナになると患者さんは便中に1カ月近くウイルスを排泄していることが多く、排便あるいはおむつ交換後の手洗いを徹底する事でヘルパンギーナの二次感染を防ぎます。ヘルパンギーナになっても学校、幼稚園、保育所などでは登校・登園停止の疾患にはなっていませんが、その症状から、急性期は自宅での安静が必要です。
ヘルパンギーナの診断、症状、治療
ヘルパンギーナは、潜伏期間も短く、対症療法だけで回復します。飲食ができなくなったり脱水症を併発した場合は、輸液(点滴)を必要とする場合があります。合併症を併発した場合は、入院が必要となる場合があります。
ヘルパンギーナの主な症状
ヘルパンギーナの主症状は、①突然高熱が出ます。②口蓋弓部(のどちんこの上辺り)や口の奥にみずぶくれが出来ます。そのほにも熱けいれんなどもありますが、あくまでも熱による影響ですので、上記の2点となります。みずぶくれも口の中のみとなりますが、強い痛みがありますので子供が食事をする事を嫌がります。
ヘルパンギーナの診断
ヘルパンギーナの診断は、夏場に発生する急激な発熱と口腔内の炎症からヘルパンギーナを疑います。ヘルパンギーナの原因を特定する為には、患者さんの咽頭ぬぐい液、便などからウイルスを直接分離することが最も有効です。最近ではRT‐PCR法を用いてウイルス遺伝子(RNA)の検出を行うこともあります。ヘルパンギーナと区別する必要がある疾患としては、単純ヘルペスウイルス1型による歯肉口内炎(口腔病変は歯齦・舌に顕著)、手足口病(ヘルパンギーナの場合よりも口腔内前方に水疱疹が見られ、手や足にも水疱疹がある)、アフタ性口内炎(発熱を伴わず、口腔内所見は舌および頬部粘膜に多い)などがあるが、その他の症状なども考慮すれば、臨床症状から診断されることがほとんどです。
同じ夏風邪、ヘルパンギーナと手足口病の違いは?
乳幼児がかかる風邪のひとつとしてヘルパンギーナと手足口病があります。どちらも主に夏に流行すると言われていいますので夏カゼの一種とされています。しかしこの2つの疾患は症状が似ているため区別が付きにくいとも言われています。
ヘルパンギーナの症状に似た疾患としては、手足口病があります。ヘルパンギーナと手足口病との違いは、手足口病になると ①手足口病の場合は、まず口の中が痛くなります。②それから徐々にひじやひざ、手のひらや指、口の中お尻といった手と足と口を中心に発疹が出来てきます。③熱が出る場合もありますが37度前後の微熱です。以上あげた3点が主症状であります。また、口の中に出来た出来物は食べ物を食べた時に痛みを感じる事があります。
ヘルパンギーナの治療
ヘルパンギーナは、潜伏期間も短く、対症療法だけで回復します。飲食ができなくなったり脱水症を併発した場合は、輸液(点滴)を必要とする場合があります。合併症を併発した場合は、入院が必要となる場合があります。
ヘルパンギーナに有効なワクチンや特効薬はありません
ヘルパンギーナに有効なワクチンや特効薬などはありません。また抗生物質もウイルスには効きませんので、熱や下痢に対する対症療法のみとなります。そのため、ヘルパンギーナの治療は、特に治療をしなくても数日で熱も下がり、喉の水泡も一週間ほどで回復してゆきますが、辛い下痢に対してはビオフェルミンなどの、整腸剤の服用をし、熱があまりに高い場合は、解熱剤を利用します。
ヘルパンギーナに限らず夏風邪を引いた時は水分補給が重要
ヘルパンギーナ治療において一番の問題点は食事と水分補給です。のどの痛みが強いため、食事もとれないため、如何に水分と栄養を確保するかがポイントとなります。食事をとることができなくなると、体力の低下が新たな合併症を起こすことがありますので刺激の少ないおもゆ、ゼリー、豆腐などで栄養や水分を確保します。
ヘルパンギーナは大人も発症
ヘルパンギーナは乳幼児が多く感染しますが、発症させるウイルスは数種類があるため、時には乳幼児ばかりでなく大人も発症する場合も多分にあります。ヘルパンギーナの感染ルートは、原因ウイルスに感染した子供がいる家庭で子供から親へと移されるケースがほと温度で、特に子供が多い幼稚園や保育園などでは園児同士の感染と共に大人にも感染するケースが多くなります。また乳幼児が使用した物や施設を介して感染する場合もありますので、なかなか予防が難しいといえます。大人が罹患することに伴う症状は以下の通りです。
①急な発熱で38度以上
②のどの激しい痛み
③頭痛や全身の筋肉の痛みなど、風邪やインフルエンザにも似たような症状(個人差あります) 合がありますのでで食欲低下や、掻かないよう注意する必要があります。
ヘルパンギーナの感染拡大予防について
ヘルパンギーナとても感染しやすいウイルス感染症です。急激な熱から始まりますので、感染拡大を予防するため保育園や学校へは無理していかせずに、様子を見ることが大切です。また、高熱が出て経口摂取が十分できなくなる場合も多いため、早めにかかりつけの小児科を受診してください。流行時には、うがい、手洗いの励行、患者さんとの接触を避けることなどが予防につながります。ヘルパンギーナに有効なワクチンはありません。ヘルパンギーナは5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約3,000カ所の小児科定点より毎週報告され管理をしています。ヘルパンギーナの報告のための基準は以下の通りです。ヘルパンギーナ診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、次の2つの基準を満たすもの
①. 突然の高熱での発症、 ②. 口蓋垂付近の水疱しんや潰瘍や発赤)。必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清診断によって当該疾患と診断されたもです。 |
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