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胆石症の症状・検査・治療について

胆石症の症状・検査・治療について

 胆石症とは、胆道に結石ができる病気の総称です。結石ができる場所により、肝内結石、胆管結石、胆嚢結石に分類されます。日本人の胆石症患者は年々増加しており、現在では日本人成人の10人に1人が該当するといわれています。理由としては、食生活の欧米化や高齢化、検査の普及により今まで分かっていなかったものが発見、等の理由により有病率が高くなってきています。性別では「男性<女性」となっています。胆嚢結石は胆石症の中で約80%と最も多く、胆管結石は約20%、肝内結石は約2%を占めています。

胆石症の原因

 胆石はその成分により、以下のように分けることができます。()内は全体に占めるの割合です。コレステロール系結石、色素結石(ビリルビンカルシウム系結石、黒色石)、その他まれな胆石に分類されます。頻度はコレステロール系結石が70%、ビリルビンカルシウム系結石と黒色石がそれぞれ15%です。胆石の種類によってその原因も異なります。

コレステロール系結石

 高脂肪食や肥満、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、妊娠等のさまざまな理由により胆汁中のコレステロールの量が増えると、余分なコレステロールは溶けずに胆汁のなかで固まり(結晶化)、これを核にして結石ができます。
 

ビリルビンカルシウム系結石

 ビリルビンは胆汁の色素成分ですが、その由来は古い赤血球です。胆汁中ではビリルビンの大部分は水溶性でこれを「抱合(ほうごう)型ビリルビン」と言います。しかし胆汁中の細菌の酵素によりビリルビンが変化し「非抱合型ビリルビン」となり、これにカルシウムが結合して結石を形成します。これに加え、胆汁のうっ滞により結石の形成を促進させます。
 

黒色石

 胆汁中のビリルビンが過剰になったり、胆汁酸の濃度が下がったりすると、複数のビリルビンがカルシウムや銅などの金属元素と結合して複合体を作り、それが固まり黒色石となります。黒色石の原因としては、溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)や肝硬変(かんこうへん)、胃切除術などがあげられます。


胆石症の症状

(1)胆嚢結石の症状

 胆嚢に結石があっても多くの場合は無症状です。症状が出るのは胆のう結石患者の20%程度といわれています。症状としては上腹部の違和感や腹部膨満感など、胃や腸の症状と区別が難しい症状を訴えることが多くありますが、それに加え胆嚢結石に特徴的な症状は胆石疝痛(せんつう)と呼ばれる腹痛です。
 これは脂肪分の多い食物をとったあとに起きる上腹部、とくに右季肋部(右の肋骨の下)あたりの周期的な痛みで、背中や右肩のコリや痛みを伴うことがあります。
 この症状は胆嚢結石が胆嚢の出入り口をふさいだり胆嚢管に詰まったりして、胆汁の流れを妨げることにより起きます。その状態で胆嚢内で細菌感染を起こすと、高熱を出します(急性胆嚢炎)。

(2)胆管結石

 胆管結石の有症状率は、胆のう結石とは逆で、90%程度とされています。胆管内の結石により胆汁の十二指腸への流れが妨げられ、腹痛、発熱などの症状が出ます。また、胆管内にたまった胆汁が血液中に逆流すると、黄疸を来します。日本人の皮膚はもともと黄色いので、よほどひどい黄疸でなければ肌が黄色くなったのに気づきませんが、そうなる前に尿の色がウーロン茶のように茶色くなります。
 さらに胆汁中の細菌が胆汁と一緒に血液に入り込むと敗血症(はいけつしょう)、菌血症(きんけつしょう))と、悪寒(おかん)を伴う高熱や意識障害を来し、極めて危険な状態(急性閉塞性化膿性胆管炎)になります。このときに適切な処置をしなければ死亡する危険性があります。


胆石症の検査

(1)胆嚢結石

 血液検査では胆嚢結石の診断はできませんが、白血球の増加や炎症反応であるCRP値の上昇をみることで胆嚢の炎症を評価することができます。
 胆嚢結石の診断に最も有用なのは腹部超音波検査です。この検査で胆嚢結石の95%は診断でき、しかも結石の性状もある程度把握することができます。
 腹部CT検査は、胆嚢結石自体の診断能は超音波検査に劣りますが、石灰化した結石の描出は優れています。
 経静脈的胆道造影検査(DIC)は胆嚢の機能をある程度把握することができ、治療方針を決めるのに役立ちます。最近ではこのDICとCT検査を組み合わせて行うことで、より鮮明に胆嚢と胆管の位置関係を立体的に把握することができます。
 磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)も体の負担なく胆嚢や胆管を同時に描出することができます。しかし胆嚢結石の診断というよりは、胆嚢摘出術前に胆嚢と胆管の位置関係や胆管結石の有無を把握するために行われることが多いです。
 なお、以上の検査はすべて外来で行うことが可能です。
 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)は、内視鏡を使って胆管や胆嚢に直接造影剤を入れて撮影する検査で、DIC‐CTやMRCPと同様に胆嚢や胆管の位置関係や胆管結石の診断に有用です。しかしERCP後に急性膵炎などの偶発症を起こす危険性があるため入院して行う必要があり、一般的には胆嚢結石があるだけで行うことはありません。

(2)胆管結石

 胆管結石により胆管が炎症を起こすことで、血液検査で胆道系の酵素(ALP、γGTP)や肝臓の酵素(GOT、GPT、LDH)が上昇します。
 胆管結石が疑われた場合、腹部超音波検査はまず行うべき検査ですが、この検査で胆管結石を診断できるのは40〜50%程度です。
 腹部CT検査も、石灰化した胆管結石では診断に有用ですが、従来の機種では腹部超音波検査と同様の診断能です。しかしCT撮影機械の改良によりその診断能は向上してきています。
 MRCPは前述したERCPに代わる胆管の精密検査で、胆管結石の診断に有用ですが3mm以下の小さい結石では診断できないことがあります。
 超音波内視鏡検査(EUS)は、先端に超音波をつけた内視鏡を口から入れて胃や十二指腸の壁越しに胆管を観察する検査で、DIC‐CTやMRCPと同等かそれ以上の胆管結石の診断能があります。EUSは胃の内視鏡と同様に外来で行うことができますが、胆管をきれいに描出するためにはある程度の技術を要し、どの医療機関でも行えるわけではありません。
 高性能のCTやMRCPあるいはEUSが登場するまでは、ERCPが胆管結石の診断に欠かせない検査でした。しかし検査に伴う偶発症もあり、MRCPやEUSなどの体への負担が少ない検査が外来で施行可能な現在では、胆管結石の診断目的のみでERCPが安易に行われることはなくなってきています。
 経皮経肝的胆道造影検査(PTC)は、超音波で肝臓のなかの胆管を見ながら針を刺して造影剤を入れ、造影する検査です。この検査もERCPと同様に入院が必要で、出血や腹膜炎(ふくまくえん)を起こす危険性があることから、胆管結石の診断のみで行われることはありません。胆管結石による胆管炎や黄疸の治療を前提にして、かつ以前に受けた胃の手術などでERCPができない方を対象に行われることが多いです。



胆石症の治療

(1)胆嚢結石の治療法

 胆嚢結石に対する治療は治療何らかの症状があるときに対象となります。無症状の方の多くは定期的な検査を受けることが望ましいですが、積極的な治療の対象とはなりません。
 例外としてただし無症状の方でも、以下のような過多の場合は対象となります。
(1)胆嚢の壁が厚くなっている
(2)胆嚢が縮んでいる(萎縮(いしゅく)している)
(3)胆嚢内の大きな結石や多数の結石のため腹部超音波検査で胆嚢の壁を正確に評価することができない
(4)胆嚢の壁が全体に石灰化している(陶器様胆嚢)
 などの所見が認められる場合は治療の対象となります。

①胆嚢摘出術

 胆嚢結石治療の第一選択とです。一般的には腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われます。ただし「胆嚢の炎症のため周辺の臓器(肝臓や腸管など)と癒着している場合」「胃の手術を受けたことのある方」は開腹胆嚢摘出術を行わざるをえないことがあります。
 胆嚢を摘出した後の影響は、ほとんどの方において日常生活にまったく影響ありません。脂肪分の多い食事を大量に摂取したあとに下痢を起こすことがまれにありますが、整腸剤などで対応可能です。

②胆石溶解療法

 胆嚢の機能が保たれていて、大きさが1cm程度の石灰化していないコレステロール系結石が対象。
ウルソデオキシコール酸を含む薬剤を内服して結石を溶解します。手術と異なりこの治療法には、体への負担がほとんどありません。
 治療による薬の服用期間は長期となり、数カ月〜数年となります、また結石が消失するのは30〜50%、消失しても数年で30〜50%の方が再発すると報告されています。

③体外衝撃波結石破砕療法

 体外から衝撃波を当てて結石を細かく砕く治療法です。胆嚢の機能が保たれていて、結石の大きさが2cm以下で数が1個のコレステロール系結石が対象となります。胆石溶解療法を併用することもあります。結石の消失率は60〜80%です。


(2)胆管結石の治療法

 胆嚢結石とは異なり、胆管結石は、たとえ無症状でも将来的に重症の急性胆管炎や急性膵炎を起こす危険性があるため、原則として治療の対象になります。

①内視鏡的治療法

 内視鏡を使って胆管から結石を取り出すためには、まず十二指腸乳頭を広げておく必要があります。この方法には電気メスで乳頭を切開する内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)と、風船(バルーン)で乳頭を広げる内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)があります。内視鏡的治療の経験が豊富な施設では、いずれかの方法を用いて90%以上の方で結石を完全除去することができます。ただし、結石が大きくて数が多い場合には1回の内視鏡的治療ではすべての結石を取りきれず、複数回の治療を要することがあります。

内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)
・乳頭を大きく広げるので、大きな結石を取り出すのが簡単です。ただし、ESTは乳頭を切開する手技ですので術後の出血や十二指腸に穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)の危険性があります
・胆汁の流れを調整する乳頭の機能は、EST後には高度に低下あるいは廃絶します。
 
内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)
・バルーンで乳頭を広げるだけなので出血や穿孔の心配はほとんどありません。
・術後の急性膵炎の頻度はESTとEPBDで同等か、EPBDで多いと報告されています。
・胆汁の流れを調整する乳頭の機能は、EST後には高度に低下あるいは廃絶しますが、EPBDではある程度温存されます。


②外科的治療法

 内視鏡的に除去することが困難な胆管結石が開腹手術の対象となってきています。
 

胆石症の治療期間と予後

 胆石症の治療期間は、治療方法により大きく異なります。予後は重度の胆管結石などを放置した場合にご不良となるか、死亡リスクが高まります。

胆石症の予防

規則正しい生活で、胆石を大きくする要因を減らすことが大切です。
特に食事のメニューに気を配り、暴飲暴食を避け、食事時間を不規則にしないことです。また、ストレスを減らすことも大事です。糖尿病や肥満は胆石につながる可能性があるので、早めに改善しましょう。
繊維の多い食物を良く摂ることも胆石の予防効果があります。逆に脂肪分の多い食物は摂り過ぎないようにしましょう。

胆石症によい漢方薬

胆石症によい漢方薬
四逆散
(しぎゃくさん)
比較的体力のある人の神経症、気管支炎、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、ヒステリー、鼻炎、胆のう炎、胆石症などに用いられます。
柴胡桂枝湯
(さいこけいしとう)
腹痛をともなう胃腸炎、微熱や寒け、頭痛、吐き気などをともなう風邪の後期症状、熱性疾患、神経痛、胆のう炎などに用いられます。
大柴胡湯
(だいさいことう)
体格・体力ともに充実した人で、便秘傾向がある場合の胃炎、常習便秘、高血圧症、肥満症、吐き気、嘔吐、胆石症、胆のう炎、糖尿病、食欲不振、肝機能障害、不眠症、痔などに用いられます。
大柴胡湯去大黄
(だいさいことうきょだいおう)
体格・体力ともに充実した人で、便秘はなく、上腹部のがはって痛む、肩こり、耳鳴りなどがある場合の高血圧症、動脈硬化症、胆石症、胆のう炎、肝炎、胃腸病、黄疸、不眠症などに用いられます。

胆石症によいサプリメント

タウリン
1.血圧やコレステロール値を下げ、動脈硬化を防ぎます。
2.解毒作用など肝臓の働きを助けます。
3.筋肉の収縮力を強め心臓の機能を高めます。
4.疲労のもととなる乳酸の蓄積を抑えます。
5.紫外線などで痛んだ角膜の修復を早め、視力低下を防ぎます。
オキアミ / たこ(タコ) / しじみ(蜆) / あさり / はまぐり(蛤) / かき(牡蠣) / イカ(いか) / タイ(鯛) /などに多く含まれます・

ただし、胆のう炎は胆石症と違い炎症を伴っていますので、サプリメントで改善できると考えないほうが良いでしょう。症状が強く出ているときは、民間療法の前に病院にいきましょう。
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