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慢性肝炎の症状・検査・治療について

慢性肝炎の症状・検査・治療について

 慢性肝炎は、急性肝炎より発症者ははるかに少ない病気ですが、数年間、ときには数十年間も続くことがあります。多くの場合軽症で、肝臓への重大な障害はありません。しかし、人によっては長期間にわたる炎症の持続が少しずつ肝臓を傷つけていき、ついには肝硬変(肝臓の重度の線維化)や肝不全、ときには肝臓癌になることがあります。
 慢性肝炎の約3分の1は、急性肝炎から進行したものです。残りの3分の2では、はっきりした症状がないまま徐々に病気が進行します。慢性肝炎のほとんどは肝炎ウイルスのいずれかが原因です。

慢性肝炎の原因で最も多いのはC型肝炎ウイルスです。急性C型肝炎の少なくとも75%が慢性肝炎になります。B型肝炎ウイルスは、ときにD型肝炎ウイルスの感染を伴いますが、C型より低い割合で慢性肝炎を起こします。A型肝炎、E型肝炎ウイルスは慢性肝炎には進行しません。

慢性肝炎の症状

 慢性肝炎の多くは、まったく症状がありません。症状がある場合には、体調不良、食欲不振、疲労などが多く、ときに微熱が出たり、上腹部に不快感がみられることがあります。黄疸は出る人も出ない人もいます。慢性の肝臓病の症状として、脾臓の腫大、皮膚のくも状血管、体液のうっ滞などが徐々に現れます。このほか、特に自己免疫性肝炎の若い女性などで、にきび、月経の停止、関節痛、肺の線維化、甲状腺や腎臓の炎症、貧血など、ほぼ全身に及ぶ症状がみられることがあります。

慢性肝炎があっても、多くの人では肝臓への障害がみられないまま何年もの歳月が経過します。人によっては徐々に病気が悪化します。C型肝炎の約20%と自己免疫性肝炎の約50%は、数年が経過するうちに、肝不全の併発の有無にかかわらず肝硬変になります。


 ウイルス性肝炎の症状
 A型肝炎   A型肝炎ウイルスに経口感染すると、15~50日の潜伏期間後に、前駆症状として食欲不振、全身倦怠感、吐きけ、嘔吐、胃部不快感で発症します。

 その後39度C前後の発熱があり、5~6日目に黄疸や濃い褐色尿が出現します。黄疸出現時には、本人の自覚症状は比較的軽快しています。

 急性A型可燃は、腎機能障害を合併し腎不全を起こしたり、劇症肝炎になることもなしとはしませんが、通常は発病後数か月で自然治癒し、慢性化はしません。

B型肝炎   B型肝炎ウイルスに感染すると、60~90日の潜伏期間後に、突然の発熱、全身倦怠感、関節痛、発疹などの風邪様症状が出現します。食欲不振、吐きけ、嘔吐、腹痛などの消化器症状や黄疸や色の濃い褐色尿が出現します。

 急性B型肝炎は、一過性の感染であり劇症肝炎とならない限りは完全に治癒しますが、持続感染として慢性肝炎に移行し、肝硬変、肝臓がんへと進行することもあります。

 C型肝炎   C型肝炎ウイルスに感染すると、14~半年の潜伏期間後に、風邪様の症状が出現します。消化器症状、黄疸などを訴える症例は約半数ほどといわれ、A型、B型に比べると自覚症状は比較的軽いです。



慢性肝炎の検査

急性肝炎の共通的な検査としての肝機能検査では、肝細胞の破壊にともなって、血液中濃度が上昇することになる、酵素AST(GOT)やALT(GPT)などの血中濃度や尿検査さらに特定診断として精密検査などが行われます。また、問診により意識障害がないかなどの診断が、重症度、劇症肝炎の有無を判断する上で重要となります。

血液検査
ALT(GPT) GOTは肝臓や心臓の筋肉、骨格筋、腎臓などに多く含まれる酵素です。肝細胞障害などで上昇します。
AST(GOT) GPTは肝臓に多く含まれる酵素で、この値が高いと血液の流れが鈍く、脂肪肝や肝炎になりやすいです。
ALP
(アルカリフォスファターゼ)
γ-GTPとともに胆道系酵素と呼ばれ、肝臓や胆道系の障害時、骨病変で上昇します。ALTとも略されます。
γ-GT(γ-GTP) 胆道系酵素と呼ばれ、胆汁うっ滞のときに上昇します。アルコール性の肝障害でも上昇する人が多いです。
LDH
(乳酸脱水素酵素
GOTやGPTと同様に肝臓や肺、筋肉、血球に含まれる酵素です。特に肝臓に多く含まれます。
 ウイルスマーカー 原因ウイルスの特定診断を行います。
血清ビリルビン  胆汁に含まれる色素で、赤血球のヘモグロビンから生成されます。総ビリルビンが上昇すると黄疸が見られます。


尿検査
尿中ビリルビン 黄疸(おうだん)の程度が分かる
ウロビリノーゲン 黄疸(おうだん)の程度が分かる
尿糖 慢性肝炎、肝硬変を調べる


精密検査
超音波(エコー)  様々な方法を利用して、視覚的診断をおこないます。
X線
CT(コンピュータ断層撮影)
MRI(磁気共鳴画像診断)
肝生検 肝臓の組織を採取し、がん細胞などの有無を調べます。


慢性肝炎の治療

 進行性のC型肝炎には、抗ウイルス薬のインターフェロン‐アルファとリバビリンの併用療法が最も多く行われています。この併用療法は炎症の進行を止める効果があります。ただし、治療を中止すると再発しやすく、成功率は全体の30〜40%に過ぎません。副作用もよくみられます。B型肝炎ではインターフェロン‐アルファやラミブジンによる治療で効果がみられることがあります。

特定の薬が肝炎の原因とみられる場合は、薬の使用を中止すると肝炎が治ることがあります。

自己免疫性肝炎の治療にはコルチコステロイド薬を使用し、アザチオプリンを併用することもあります。これらの薬物は炎症を抑え、症状を和らげ、長期的な生存率を改善する効果があります。こうした治療を行っていても、肝臓の瘢痕形成と線維化は徐々に進むことがあります。治療を中止すれば炎症が再発するため、多くの人は生涯にわたって薬を服用し続けることになります。

慢性肝炎の原因や種類にかかわらず、腹腔内への体液の貯留(腹水(肝臓の病気でみられる症状: 腹水を参照))や脳の機能障害(肝性脳症(肝臓の病気でみられる症状: 肝性脳症を参照))などの合併症があれば治療が必要です。

重症の肝不全では肝臓移植(移植: 肝移植を参照)を行うことも考慮されます。ただしB型肝炎に感染している場合は、移植された肝臓でも早期に重度の再発が起こりやすいため、一般には移植の対象外となります。C型肝炎でも移植された肝臓での再発はほぼ必ず起こりますが、症状は軽いことが多いため、長期間生存する可能性が高くなります。


慢性肝炎の治療期間と予後

急性肝炎の生命予後は、重症化、劇症化しなければ極めて良好で、A型、B型肝炎は終生免疫が成立し再感染することはありません、C型肝炎では急性期を経過した後は、遷延化、慢性化に対する対策が必要となります。


慢性肝炎の予防

肝炎ウイルスに対する対策としては、ワクチンの予防接種が一番の予防方法となります。その他、アルコールなどの食事性肝炎が原因である場合はそれらの摂取制限などの処置が重要となります。


慢性肝炎によい漢方薬

漢方薬は肝臓病の原因や種類で使い分ける事はありません。症状や体質を重視し処方を選ぶ事が基本と成ります。肝臓病の初期から中期にかけては柴胡剤という分類の漢方薬の一群がとても有効です。

初期から中期にかけて使用します
大柴胡湯
(だいさいことう)
比較的、体力のある方に処方されます。
小柴胡湯
(しょうさいことう)
体力が中程度の方に処方されます。
柴胡桂枝湯
(さいこけいしとう)
体力が中程度の方に処方されます。
補中益気湯
(ほちゅうえっきとう)
体力がない方や高齢者
茵陳五苓散
(いんちんごれいさん)
黄疸やむくみなどがある
茵陳高湯
(いんちんこうとう)
黄疸やむくみなどがある
   
肝炎の末期や肝硬変の方に使用します
柴芍六君子湯
(さいしゃくりっくんしとう)
体力も補う目的                                      
十全大補湯
(じゅうぜんだいほとう)
体力も補う目的                                       


 漢方薬以外の民間薬や健康食品にも、肝臓病に良いものが多くあります。うこんは香辛料としても使いますが、肝臓の治療補助としてもすぐれています。田七人参(でんしちにんじん)も肝臓病にはとても良い事が多く、又体力も補えるので体質にあまり関係なくおすすめできます。どちらも安全性が高く比較的安価なものなので、気軽に試してみると良いと思います。その他の健康食品にも使えるものは多いので、これも専門の知識のある薬局などに問い合わせてみることをおすすめします。


慢性肝炎によいサプリメント

漢方薬以外の民間薬や健康食品にも、肝臓病に良いものが多くあります。ウコンは香辛料としても使いますが、肝臓の治療補助としてもすぐれています。田七人参(でんしちにんじん)も肝臓病にはとても良い事が多く、又体力も補えるので体質にあまり関係なくおすすめできます。どちらも安全性が高く比較的安価なものなので、気軽に試してみると良いと思います。
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