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肺化膿症の症状・検査・治療について

肺化膿症の症状・検査・治療について

 肺化膿症は、肺炎と同様に肺胞に細菌が増殖し、それに対して生体側の白血球を主とする炎症細胞や感染防御物質が集まり、炎症を起こした状態の感染症ですが、それに組織の壊死を伴うのが特徴的です。その結果、肺内に空洞が広がり、液状の壊死物質が空洞内にたまります(肺に穴があき、その穴のなかにうみがたまった状態)。肺壊疽(えそ)や肺膿瘍とも呼ばれます。



肺化膿症の症状

 肺炎同様、発熱、咳、膿性の痰がみられ、それに加えて胸痛が起こることもあり、この場合は胸膜への炎症の広がりを示唆しています。

(身体所見)

 呼吸数や脈拍の増加がみられます。重症例では呼吸困難、チアノーゼ、意識障害がみられ、緊急に治療を開始する必要があります。

 誤嚥による肺化膿症では、腐敗臭のある痰を伴います。ただし、症状の発現がゆるやかな場合があり、倦怠感や体重の減少だけの場合もあるので、高齢者などでは注意が必要です。
 黄色ブドウ球菌やグラム陰性桿菌(かんきん)による肺化膿症では、多くは症状が急激に現れます。


肺化膿症の検査

肺化膿症の検査
胸部X線検査 空洞と空洞内に液状のうみによる水平面がみられ、体位を変換すると重力によってその水平面が動くのが特徴的です
細菌学的検査 嫌気性菌が関係する場合は喀痰(かくたん)の培養だけでは有用性が低く、胸壁を通して肺に針を刺し、空洞内部の膿成分を採取し、嫌気状態での培養を行う必要があります。血行性感染の場合は、喀痰培養とともに血液培養が有用です


肺化膿症の治療

 入院治療が原則です。誤嚥性肺炎なのか、血行性感染なのかを推定します。

誤嚥性肺炎
 嫌気性菌の関与を考慮して、ペニシリン系とβ(ベータ)‐ラクタマーゼ阻害薬との配合薬、クリンダマイシン、カルバペネム系抗菌薬投与がすすめられます。

血行性感染
 原発の病巣を推定し、血液培養などの結果によって抗菌薬を選択します。一般の肺炎より長い治療期間を要します。膿瘍が大きければ、カテーテルによる排膿や外科手術も考慮します。


肺化膿症の予後

死亡率はかつて30% 程度であったと報告されていますが,近年では患者背景や病変によって差はあるものの全体として20% 程度とされています。また、高齢者では約60%といわれています。
 疾患そのものが、基礎的な体力や基礎疾患などに起因しているため、免疫機能の向上や、基礎疾患の治療を如何に行うかが、予後の良、不良にかかわってきます。


肺化膿症の予防

予後と同じく、基礎的な体力や基礎疾患などに起因しているため、免疫機能の向上や、基礎疾患の治療を如何に行うかにかかっています。


肺化膿症によい漢方薬

肺疾患に対して活用する漢方素材
漢方の種類 特徴 漢方素材 
補中益気湯
(ほちゅうえっきとう
人参が配合されたもので、肺に作用する生薬も多く配剤されている。 人参、黄耆、白朮、山薬、甘草、大棗、茯苓など
橘皮枳実生姜湯
(きっぴきじつしょうきょうとう)
肺気腫 茯苓6、杏仁4、甘草1、橘皮8、枳実3、生姜1gという処方にすれば、肺気腫にはより効果的です。
清肺湯
(せいはいとう)
咳、痰がきわめて多い方 甘草3、3、茯苓3、陳皮3、当帰3、貝母4、桑白皮3、天門冬5、山梔子3、杏仁3、麦門冬5、五味子3、生姜2、竹茹2
清肺湯+八珍湯
(せいはいとう・はっちんとう)
肺線維症 [四物湯:当帰3、3、芍薬3、熟地黄3]に、人参3、白朮3、茯苓3、甘草2、大棗2、生姜3を加味したもの
   

サプリメント、漢方薬双方に言えることですが、体質に合わないものは害となる恐れがあります。自身に合うものを素人判断で使うことは状態を悪化することになりますので、必ず専門漢方薬局などを活用するようにしましょう。


肺化膿症によいサプリメント

肺に良いとされるサプリメント素材
サプリメント 働き
αーリポ酸 αーリポ酸はビタミンに似た働きをする物質で人や動物、植物によってつくられ、別名「チオクト酸」と呼ばれています。昔はドイツで糖尿病治療薬として使われていましたが、2004年栄養補助食品として認可されました。
コエンザイムQ10 コエンザイムQ10は補酵素で、「ユビキノン」または「補酵素Q」と呼ばれ、昔は医薬品として血圧や血液、糖尿病などの治療に使用されていましたが、2001年にサプリメントとしての使用が許可されました。
ビタミンA(β-カロテン、レチノール) ビタミンAは動物性の食品に含まれる、レチノールという脂溶性ビタミンです。植物性の食品(緑黄色野菜)に含まれるβ-カロテン(ファイトケミカル)はビタミンAの前駆体で、ビタミンAに変わる前の物質です。ビタミンAは視力を正常に保ち、皮膚や粘膜などの上皮組織の健康を保つ作用があります。またビタミンAは、おなかの胎児や幼児の発育にも関係しています。
ビタミンC ビタミンC(アスコルビン酸)の最大の仕事はコラーゲンの生成ですが、熱に弱く分解しやすい性質を持っています。ビタミンCは重要な抗酸化物質の1つで免疫力を高める作用があり、風邪には特に効果を発揮します
。美容にも重要な働きをするビタミンCは、黒色色素のメラニンを予防して脱色もするといった美肌効果があります。この他ビタミンCは白内障や壊血病(かいけつびょう)、二日酔いを予防します。
ビタミンE ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、このビタミンEの重要な働きは、細胞膜を活性酸素から守ることです。抗酸化物質であるビタミンEは、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを減らしHDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあります。ビタミンEは「抗不妊ビタミン」とも呼ばれ、不妊治療にも使われています。ビタミンEは女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促進する作用もあり、更年期障害を改善してくれます。また貧血や老化なども、防止してくれます。

サプリメント、漢方薬双方に言えることですが、体質に合わないものは害となる恐れがあります。自身に合うものを素人判断で使うことは状態を悪化することになりますので、必ず専門漢方薬局などを活用するようにしましょう。

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