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肺がんの症状・検査・治療について肺がんは気管、気管支、肺胞の細胞が正常の機能を失い、無秩序に増えることにより発生します。最近、がんの発生と遺伝子の異常についての研究が進んでいますが、細胞がなぜがん化するのかまだ十分わかっていません。がんは周囲の組織や器官を破壊して増殖しながら他の臓器に拡がり、多くの場合、腫瘤(しゅりゅう)を形成します。他の臓器にがんが拡がることを転移と呼びます。罹患率は40代後半から上昇し男性がより高率となります。 年齢別にみた肺がんの罹患率、死亡率ともに40歳代後半から増加し始め、高齢ほど高くなります。死亡率の年次推移は、1960年代から80年代に急激に増加しましたが、90年代後半から男女とも若干の減少傾向にあります。また罹患率、死亡率は男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍と言われています。がん死亡原因部位別では、肺がんは男性で第1位、女性で第2位です。罹患数と死亡数に大きな差はなないため、肺がんの生存率が極めて低いことを示しています。 肺がんは、小細胞がんと非小細胞がんの2つの型に大きく分類されます。 非小細胞肺がんは、さらに腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、腺扁平上皮がんなどの組織型に分類されます。腺がんは、我が国で最も発生頻度が高く、男性の肺がんの40%、女性の肺がんの70%以上を占めています。通常の胸部のレントゲン写真で発見されやすい「肺野型」と呼ばれる肺の末梢に発生するのがほとんどです。肺がんの中でも他の組織型に比べ臨床像は多彩で、進行の速いものから進行の遅いものまでいろいろあります。次に多い扁平上皮がんは、男性の肺がんの40%、女性の肺がんの15%を占めています。気管支が肺に入った近くに発生する肺門型と呼ばれるがんの頻度が、腺がんに比べて高くなります。大細胞がんは、一般に増殖が速く、肺がんと診断された時には大きながんであることが多くみられます。 小細胞がんは肺がんの約15~20%を占め、増殖が速く、脳・リンパ節・肝臓・副腎・骨などに転移しやすい悪性度の高いがんです。しかし、非小細胞肺がんと異なり、抗がん剤や放射線治療が比較的効きやすいタイプのがんです。また、約80%以上では、がん細胞が種々のホルモンを産生しています。しかし、ホルモン産生過剰による症状があらわれることはまれです。 |
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肺がんの症状なかなか治りにくい咳や胸痛、呼吸時の喘鳴(ぜんめい:ヒューヒュー鳴る音)、息切れ、血痰、声のかれ、顔や首のむくみなどが一般的症状です。扁平上皮がんや小細胞がんに多い肺門型の肺がんは、早期から咳、痰、血痰などの症状が出現しやすいものです。腺がんに多い肺野型の肺がんは、がんが小さいうちは症状が出にくい傾向があり、検診や人間ドック、高血圧などの他の病気で医療機関にかかっている時に見つかることが多くなっています。ときに転移病巣の症状、脳転移による頭痛、骨転移による腰痛などの骨の痛みなどが最初の症状である場合もあります。また、胸痛があらわれることもありますが、これは肺がんが胸壁を侵したり、胸水がたまったりするためです。 その他、肩こり、肩痛、背中の上部痛、肩から上腕にかけての痛みもまれにあります。また、他のがんと同様に肺がんでも、易疲労感、食欲不振、体重減少があらわれることがあります。 小細胞肺がんは種々のホルモンを産生します。 そのため、まれに副腎皮質刺激ホルモンによるクッシング症候群と呼ばれる身体の中心部を主体とした肥満、満月のような丸い顔貌、全身の皮膚の色が黒くなる、血圧が高くなる、血糖値が高くなる、血液中のカリウム値が低くなるなどの症候があらわれることもあります。その他、まれに抗利尿ホルモンの産生による水利尿不全にともない、血液中のナトリウム値が低くなり、食欲不振などの消化器症状や神経症状・意識障害が出現することがあります。この他、大細胞がんでは、細胞の増殖を増やす因子の産生による白血球増多症や発熱、肝腫大などがあらわれることがあります。 肺がんの検査咳、痰などの症状がある場合、最初に胸のレントゲン検査をします。次にがんかどうか、あるいはどのタイプの肺がんかを顕微鏡で調べるため、肺から細胞を集めます。通常は痰の中の細胞検査をします。
これらの方法を用いても診断が困難な場合、外科的に組織を採取します。外科的な方法には、縦隔鏡検査、胸腔鏡検査、胸を開く方法(開胸)があります。いずれも全身麻酔が必要となります。縦隔鏡検査は、首の下端で胸骨の上のくぼみの皮膚を切開し、気管前部の組織を押しのけて空間をつくり、ここに縦隔鏡と呼ばれる筒状の器具を挿入し、直接眼で見ながら気管周囲のリンパ節や近くに位置する腫瘍組織を採取するものです。胸腔鏡検査は、胸の皮膚を小さく切開し、そこから肋骨の間を通して胸腔鏡と呼ばれる内視鏡を肺の外側(胸腔)に挿入し、肺や胸膜あるいはリンパ節の一部を採取するものです。採取した組織を顕微鏡でがん細胞がないかどうか検査します。 肺がんの治療外科療法肺がんの外科的治療は早期発見の場合に限られます。手術は、肺葉切除(右肺は上葉、中葉、下葉と分かれ、左肺は上葉、下葉と分かれていますが、そのひとつか2つを切除すること)する場合、片側の肺をすべて切除する場合があり、リンパ節にがんがあるかどうかを確認するためにリンパ節切除(リンパ節郭清といいます)も行います。 非小細胞がんの場合、通常はI期からIIIA期の一部が手術の対象となりますが、心臓や肺の機能障害がある場合は手術ができないこともあります。小細胞がんの場合、I期などの極めて早期の場合のみが手術の対象となりますが、頻度的に極めて少ないばかりでなく、手術後に必ず抗がん剤による化学療法が必要となります。 放射線療法 X線や他の高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺すものです。非小細胞がんの場合は手術できないI期からIIIA期、胸水を認めないIIIB期、小細胞がんの場合は限局型が対象となります。 肺がんの場合、身体の外から患部である肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的に1日1回週5回照射し、3~6週間の治療期間が必要となります。最近では、小細胞肺がんに対しては1日2回週10回照射する加速多分割照射が行われて います。 現在では、がん病巣のみを集中的に治療し、副作用を軽減する放射線療法も行われています。小細胞がんは脳へ転移する場合が多く、脳へ転移するのを防ぐ目的で脳放射線治療が行われることがあります。これを予防的全脳照射といいます。 抗がん剤による化学療法 化学療法は抗がん剤を静脈注射、点滴静脈注射、内服することにより、がん細胞を殺すことを目的とした治療法です。外科療法・放射線療法が局所治療と呼ばれているのに対し、化学療法は全身治療と呼ばれています。通常、静脈内または内服によって投与された抗がん剤は、血液の中に入り、血流に乗って全身をめぐり、肺のみならず、肺の外に拡がったがん細胞にも効果が期待されます。化学療法の治療成績は、少しずつ向上してきていますが、まだまだ満足できるものではありません。小細胞がんでは、化学療法がよく効く場合が多くみられますが、非小細胞がんは抗がん剤が効きにくく、現状では抗がん剤のみでがんを治すことは不可能です。このため、治療成績向上を目指して、化学療法に関する多くの臨床試験が進められています。 非小細胞がんに対して用いられる主な抗がん剤 シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、マイトマイシンC、ビノレルビン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ティーエスワン、ゲフィチニブなど 小細胞がんに対して用いられる主な抗がん剤 シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、イリノテカン、イフォマイド、アムルビシンなどが用いられます。 これらの抗がん剤の中からは1種類(単剤療法)、2種類以上の抗がん剤を組み合わせる(併用療法)があります。 内視鏡治療(レーザー治療) 気管支の内腔に発生した肺門型の極めて限られた早期の肺がんに行われます。気管支鏡で見える範囲のがんにレーザー光線を照射して治療します。副作用、後遺症はまれです。 この他「光線力学的療法」という組織に取り込まれやすく光に反応しやすい化学薬品を投与後、ある種のレーザー光線を照射し肺門部の早期肺がんを選択的に治療する方法もあります。 免疫療法ほか 身体の免疫機能を高めたり、がん細胞を特異的に殺す免疫担当細胞を点滴するなどの種々の免疫療法が試みられています。しかし、いずれも実験段階であり、現状では肺がんに有効な免疫療法はありません。 肺がんのステージ肺がん検査の結果によりがんの種類、病期(ステージ)により割り振りが行われ、治療の方針が決まります。非小細胞肺がん がん病巣の拡がりぐあいで病気の進行を潜伏がん、0、I、II、III、IV期に分類します。
小細胞がんにおいては、病期としての診断のほかに、限局型、進展型の分類があります。 肺がんの予防肺がんのリスク要因代表格は、喫煙習慣です。喫煙習慣の方に多いCOPDも大きな問題となっております。統計として非喫煙者に対する喫煙者の肺がんリスクは、欧米では20倍以上とされていますが、日本では男性で4.4倍、女性で2.8倍という結果でした。欧米に比べると低くはありますが、統計的優位さがあります。また、欧米では、たばこが肺がんの発生原因の90%とされていますが、日本では、男性で68%、女性では18%程度と推計されています。また、受動喫煙によって、肺がんのリスクが高くなるという科学的根拠は十分あると評価され、受動喫煙がない者に対し、20~30%程度高くなると推計されています。 その他、アスベスト、シリカ、砒素(ひそ)、クロム、コールタール、放射線、ディーゼル排ガスなどの職業や一般環境での曝露(ばくろ)、さらに、石炭ストーブの燃焼や不純物の混ざった植物油の高温調理により生じる煙(中国の一部地域)、ラドンなどによる室内環境汚染も、肺がんのリスク要因とする根拠は十分とされています。 野菜・果物の摂取、特に果物は、リスク軽減の可能性があるとされていますが、研究は途中であり、様々な影響を完全に取り除けていない可能性があり、十分とはされていません。 また、今まで有用とされていた抗酸化作用を持つβ-カロテンに大手は、多く摂取(1日20~30mg)すると、かえって肺がんリスクが20~30%程度高くなるという結果に終わりました。 肺がんによい漢方薬(素材)肺がんに対して活用する漢方素材
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