膵臓の構造と働きについて
膵臓の構造について
<膵臓の構造>
<膵臓内の構造>
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膵臓は、成人で長さ15 cm程度の右側が太く左側が細いくさび型の臓器です。向かって左端は、肝臓の下に、十二指腸がコの字型に曲がった部分の間にはまりこんでいます。反対側の右端は、腹部の右端の脾臓付近までの横長の構造をしています。また、十二指腸側を膵頭部、脾臓側を膵尾部といいます。
膵臓の中には、膵臓で作られた膵液を十二指腸まで運ぶ管である膵管が通っています。膵管は、十二指腸側に近づくにつれて合流し、最後は太い2本の主膵管、副膵管となり、十二指腸につながります。主膵管は、十二指腸につながる前に胆嚢から胆汁が流れてくる総胆管と合流します。膵管は十二指腸の壁を貫き、その内側に膵液を出しますが、膵管の開口部は腸の内側に向かって盛り上がっていて、その開口部を十二指腸乳頭いいます。
膵臓は、構造を見ていただけるとよくわかりますが、各臓器の下にあり、通常のX線画像では疾患が分かりにくい傾向にあります。そのため、普段日頃からの体の状態の確認が必要となります。その中に下痢があり、通常の下痢と症状はあまり変わりません。しかし、長く続く場合などは注意が必要ですので、一度医療機関を訪れるようにしましょう。
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膵臓の働きについて
<膵臓の働き>
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(外分泌機能) 食物が胃を通って十二指腸に到達すると、その粘膜(ねんまく)からセクレチンやコレシストキニンというホルモンが放出され、膵臓に作用して膵液の分泌を促進します。
膵液にはトリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素(しょうかこうそ)が含まれています。トリプシンとキモトリプシンはたんぱく質を、アミラーゼはでんぷんを、リパーゼは脂肪(しぼう)をそれぞれ分解し、食物を小腸で吸収しやすい形に変えます。
(内分泌機能) 膵臓にはランゲルハンス島と呼ばれる場所があります。この場所は内分泌にかかわる細胞群が集まっているところです。
そのうちのベータ細胞は、インスリンを合成し、血液中に分泌します。インスリンは、ぶどう糖(とう)(血糖(けっとう))を細胞内にとりこませてエネルギー源として活用させるうえで不可欠のホルモンです。このインスリンが不足してぶどう糖が活用されず、血糖値が上がってしまう病気が糖尿病です。
一方、アルファ細胞で合成されるグルカゴンは、インスリンと拮抗(きっこう)(対抗)して、血糖値を上昇させるはたらきがあります。
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消化酵素によって膵臓自身が分解されないのは、なぜ?と思う方いらっしゃいませんか。実は、消化されない謎は以下の二つを理解するとわかります。
①トリプシンは、トリプシノーゲンという、たんぱく質を分解する活性のない状態で合成され、十二指腸内に放出されます。そして、十二指腸内の酵素によってトリプシノーゲンがトリプシンに変換され、初めてたんぱく質を分解する活性をもつようになります。
②膵液はアルカリ性の重炭酸(じゅうたんさん)イオンを多量に含んでいます。これによって、強い酸性を示す胃液を中和し、十二指腸を胃液から保護するとともに、膵液に含まれる消化酵素がはたらきやすくなる環境を提供します。
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