うつ病の概要
現在では、一般的な病気となり一定の理解あ得られるようになってきました。しかし、以前は今程の理解が得られていなかったため「怠け病」とも呼ばれていました。
かつて日本では、精神疾患を大きく外因性、内因性、心因性と原因別に分類し、うつ病はその中でも内因性うつ病として内因性疾患に分類されていました。
アメリカ合衆国の操作的診断基準であるDSM-IV-TRでは、「大うつ病性障害」(英語majordepression)と呼ばれています。この大うつ病障害の「大」はmajorを表しているため、大きなうつ病障害ではなく、主要なあるいは中心的なという意味でつかわれています。
うつ病は、従来診断においては「こころの病気」である神経症性のうつ病と、「脳の病気」である内因性うつ病と別々に分類されきました。現在多用されている操作的診断では原因を問わないため、うつ病は脳と心の両面から起こるとされています。
「脳の病気」という面では、セロトニンやノルアドレナリンの不足を原因とする仮説に基づく場合では、脳内に不足している脳内物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の分泌を促進させる薬物治療を行います。これが日本国内では心療内科や精神科におけるうつ病治療の主流になっています。
うつ病は、あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在します。うつ病を反復する例では、20年間の経過観察で自殺率が10パーセント程度といわれています。
なお、男女比では、男性より女性のほうが2倍ほどうつ病になりやすいとされています。
うつ病が20世紀になって増加しているがSSRIの普及と軌を一にする。SSRIという薬価が高いうつ病の薬が販売されると世界各国で軒並みうつ病患者が増える。そこには製薬会社のキャンペーンが影響している。SSRIの導入後、6年間でうつ病の患者が2倍に増えるという経験則がある。[3]
うつ病の種類
うつ病は、タイプ別そして、引き金となる原因疾患により分類することができます。
うつ病の種類とその特徴
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仮面うつ病 |
気分や意欲の変化があまり現れにくいですが、体に変調をきたします。
原因は過度のストレスと言われ、「身体的な症状で隠された(マスクされた)うつ病」 から仮面うつと命名されました。
(症状)
・不眠(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、早朝に目が覚るなど)
・疲れやすい、倦怠感
・頭重、頭痛、胸の痛み、胃の痛み、関節痛
・食欲不振
・腹部不快感
・便秘
・めまい
仮面うつ病自体がストレスによる脳機能不全により起こるため、ありとあらゆる症状が現れます。
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産後うつ病 |
出産時の身体のホルモンバランスの変化からくるうつ病です。出産女性の約10%に現れるといわれています。しかし、ホルモンバランスの変調だけが原因ではなく、子育てによる生活の変化も原因になります。
精神および身体のストレスが原因となるため複合的な治療が必要です。
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冬季うつ病 |
直接の原因は日照不足により、脳の中でセロトニンが生成される機会が減るためです。また運動不足も症状を悪化させる要因となります。
(症状) ・無気力感
・睡眠時間が長くなる。ずっと眠い。
・食欲が止まらない (特に炭水化物)
・体重が増える
身体的な症状としては、動物の冬眠と同じようになるため症状が現れます。
治療は、 3,000 ルクス以上の強力な光を見る、「光療法」というものを使用します。しかし、蛍光灯などのライトではルクスが足りないため効果はほとんどありません。また、セロトニンの材料のトリプトファンとビタミンB3
と B6、マグネシウム積極的にとることも大切です。
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病気からくるうつ病 |
全く関係ない病気がうつ状態を引き起こした状態。「身体因性うつ病」と呼ばれています。
その原因となった病気の治療をしないとうつ状態がらないのが特徴です。
代表的な病気は、
糖尿病、高血圧、ガン、脳梗塞、脳卒中、ほか脳血管障害、心筋梗塞
認知症(旧称「痴呆症」)、リウマチ、てんかん、偏頭痛、パーキンソン病 40% |
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